【社会人向け】英単語の覚え方を解説!覚えられない原因と対策
英語学習のプロの意見 : 5
今回は効果的に英単語を覚えるコツと、英単語の覚え方を紹介します。人間の脳は1日で半分以上の記憶を忘れるため、長期的に記憶できる方法を取り入れることが大切です。
また、英語学習ではインプットとアウトプットのバランスが重要です。とくに英単語を覚える際はインプットに偏りがちですが、学んだ単語を確実に使いこなすためには会話を軸にしたアウトプットを取り入れるのがおすすめです。
この記事で紹介する英単語の覚え方は、初心者でもできる方法ばかりです。コツコツと学習を積み重ね、多くの英単語を記憶していきましょう。
この記事に登場する英語学習のプロ
Shin
TOEIC®︎985、英検®︎1級、TOEFL®︎108。純日本人ながら、大人になってからの日本における自学自習で英語力を磨く。その後、大学受験予備校講師、英検®︎講師、TOEIC®︎講師、TOEFL®︎講師等、英語に関するあらゆる試験を指導する講師職に就く。
竹村 和浩
ビジネス・ブレークスルー大学経営学部准教授、株式会社ユニバーサル・エデュケーション 代表取締役。英検®1級・英語通訳案内士。英語発音矯正士。英語発音矯正の専門家であり、この分野の第一人者。独自の英語音声指導法:EVT: English Voice Train、ing ,英語生成教則:GEM: Generative English Methodを開発。日本にいながらにしてグローバルに活躍できるグローバル人材育成の専門家。日本人がグローバルに活躍するために必要な、英会話の基礎としての英語発音トレーニング、ディベート、ロジカルシンキング、欧米型交渉術、日本文化を理論的に学ぶ「日本学」を専門としている。
「伝える英語塾」濱口かずみ
「あなただけの英語治療法を見つける」パーソナル英語コーチ。英語は初心者の人や、超苦手な人も、英語を使ってあなたの世界を変えるサポートをします。小学校から英会話スクールに通った後、イギリスに1か月間短期留学。オックスフォードにある短大の講義を、世界中の人と一緒に受講。英語コーチングの為、心理学・脳科学も現在習得中。J-SHINE 小学校英語指導者資格・英検®︎・観光英検・TOEIC®︎・医薬品登録販売者資格・健康マスター検定普及認定講師・メンタルトレーナー資格保持。【経歴】大手英会話スクール3年勤務で、外国人と共に働き、マネジメント業務を経験→幼・小・中・高・大人全ての英語講師を経験(経歴7年)→医療業界歴24年。統括として200人以上を面接、新人教育、研修講師をして人材育成法を研究。
Yukiコーチ
米国大学卒。TOEIC®985点。日本の高校を卒業後に単身で米国へ渡り、試行錯誤しながら英語を習得する。中国語、スペイン語も履修。帰国後は英会話講師、英会話コーチ、翻訳、通訳業を担う。小学生〜社会人まで担当経験あり。
Mokoコーチ
留学経験なしに国内で英語を学習。英語講師/ホテル勤務、地球一周の船旅でボランティア通訳を経験。コーチ歴4年目、現在までに英会話やTOEIC®のコーチングで100名以上のラーナーさんの学習を支援しました。
社会人が英単語を覚えられない原因
英単語の覚え方を知る前に、なぜ多くの人が英単語を覚えられないのか原因を知りましょう。原因を知ることで非効率な学習法を避けられます。
また、これまで単語学習に成果を感じられなかった人は、自分では気付かなかった意外な課題を発見できるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
自分の英語レベルや目的に合わない教材を使っている
英語学習でまず大切なのは、自分のレベルと目的に合った教材を活用することです。単語の知識が多くない初心者には、難しい英語試験やビジネスパーソン向けの教材はおすすめしません。なぜなら、学習ハードルが高くなり挫折する人が多いからです。
英語学習は長期戦です。適したレベルの教材で学習し、少しずつ理解できる英単語を増やしていくのが上達の近道です。初心者はまず中学レベルの英語教材から学習をはじめてください。
また、目的に合った教材から単語を学ぶことも大切です。たとえば、旅行で困らない英語力を身に付けたいのであれば、空港、ホテル、レストランなどで使える単語から覚えましょう。
さらに、自分が興味のある分野に絡めると楽しく英単語を学習できます。旅行好きであれば英語で書かれたガイドブックやブログなどから楽しく単語を学べるでしょう。
一度学習した後に、復習や反復ができていない
英単語を覚えたつもりでも、いざ必要な時にパッと口から出てこなかった経験を持つ人も多いでしょう。それは、復習が足りていないことが原因です。
ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスによる、エビングハウスの忘却曲線で提唱されているように、人の脳は1日経過しただけで半分以上の記憶を忘れます。したがって、一度英単語を覚えても、復習しなければ時間が経つと忘れていきます。
一度に覚えきるやり方をしている人もいるかもしれません。しかし、覚えた英単語を長期的に記憶に定着させるには、反復学習が大切です。1週間単位で同じ単語を繰り返し学習しましょう。後述の「記憶に定着する効果的な英単語の覚え方」で詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
アウトプットが少な過ぎて記憶に定着しない
「単語の学習=インプット」とイメージする人も多いでしょう。しかし、インプットを繰り返すだけでは、長期記憶として脳に定着しません。もし割合が「インプット9:アウトプット1」であればアウトプットが少な過ぎます。
単語は「覚える→使う」を繰り返すことで記憶に定着していきます。インプットだけで終わらず、覚えた単語を使って日記を書いたり、会話をしたりして、意識的にアウトプットを増やしてください。
普段英語でコミュニケーションをする機会がない人は、聞こえてきた音声を真似するシャドーイングや英文を自分で読む音読など、1人でもできるアウトプットを取り入れてください。
英単語の覚え方が自分の特性に合っていない
英単語は「書いて覚える」「口に出して覚える」「ビジュアルで覚える」など、いくつか代表的な暗記方法があります。どの方法が一番効果的か一概にはいえず、人それぞれ有効な方法が異なります。
人におすすめされた勉強法や、教材の効果を自分では感じられなかった経験を持つ人も多いでしょう。それは人によって得意な情報処理法が異なるからです。
人間には「認知特性」と呼ばれる能力が備わっています。これは目・耳・鼻など感覚器から入ってきた情報を記憶したり理解したりする能力のことです。
認知特性には主に以下3つの優位性があります。
- 「視覚優位」...絵や写真など目で見た情報の処理が得意
- 「聴覚優位」...耳で聞いた情報の処理が得意
- 「言語優位」...文字から得た情報の処理が得意
「視覚優位」の人と、「聴覚優位」の人では、効果的な学習法は異なります。インターネットで自分がどのタイプに当てはまるかがわかる無料テストが探せます。気になる人は、ぜひ一度テストを受けてみてください。
*認知特性がチェックできるサイト例 「本田40式認知特性チェック」
社会人でも記憶に定着する効果的な英単語の覚え方
暗記シートを使い、試験やテスト勉強をしたことがある人も多いでしょう。暗記シートは短期的に記憶したい場合は効率的ですが、復習を前提としない学習は長期的に記憶に定着しません。
ここからは、英単語を長期記憶として脳に定着させるための効率的な方法を解説します。
1週間スパンの反復学習で覚える
Shin
英単語は1日で覚えきるのではなく、復習を前提にした学習を1週間スパンで進めましょう。
学習した単語を長期的に記憶に定着させるには「覚える→忘れる→また覚える」を最低5〜6回以上繰り返すことが大切です。そうすることで「この情報は重要なんだ」と脳に刷り込まれていきます。
1週間で学習する単語数の目安は人により異なりますが、最も重要なのは前日までに学習した内容をまずは復習し、その後に新しい単語のインプットをすることです。
個人差はありますが、週の後半には覚えられている単語が多くなっています。その段階でまだ覚えきれていない単語があれば、それらを重点的に復習し確実に脳に定着させましょう。
写真やイラストと一緒に覚える
英単語を覚える際、スペルと一緒にその単語を表した絵や写真を見て覚えるのも効果的です。とくに「聴覚優位」の人は、積極的に視覚教材を活用しましょう。
たとえば"apple"という単語はリンゴの写真を見ながら覚えます。そうすることで脳の中に記憶のフックができ、写真を連想しながら単語を思い出せます。
または絵が得意な人は、自分でイラストを描いて単語を覚えるのもおすすめです。ここではきれいに描くことよりも、描写を楽しんで覚えることを重視してください。また単語を思い出したい時に、そのイラストがパッと頭に思い浮かぶような印象強いものにするのがポイントです。
音読して覚える
英単語を覚えたくてもインプットするばかりでは、記憶として定着しません。1人でもできる音読練習を取り入れて、単語をアウトプットしましょう。
音読する際のポイントは英単語の意味を理解しながら声に出すことです。その単語の意味を理解せず、ただ音読しても使える英語として身に付きません。
正しい発音を確認するのがポイント
また、初心者は発音が難しい単語を避け、すでに正しい発音を知っている単語からはじめてください。特に発音のコツが掴めていない段階で音読練習を繰り返すのは、おすすめしません。音読する前に教材の音声を聞き、正しい発音をチェックしましょう。
英語にはスペル通りに発音しない単語が数多く存在します。発音が分からない単語は自分で推測せず、必ず正しい発音を確認してから音読してください。
音読練習を繰り返すことで、単語を覚えられるだけでなくその単語を実際の会話で使いたい時にパッと使えるようになります。会話力を優先的に伸ばしたい人には、とくにおすすめのアウトプット法です。
音読のやり方は「英語の音読で得られる効果・メリット|正しい学習法&おすすめ教材・アプリ」をご覧ください。
フレーズと一緒に覚える
竹村 和浩
英単語を覚える際は単語のみでなく、その単語を使ったフレーズも一緒に覚えましょう。英語には複数の意味を持つ単語が数多くあります。それらの意味を全て覚えるのは簡単ではありません。
しかし、例文と一緒に単語を覚えることで、いつ、どこで、どういった意味で使うべきかがわかります。また、フレーズとセットで覚えておくと、その単語を会話で使いたい時に瞬時に脳内で文章を組み立てられます。
たとえば、英単語の’book’には「本」と「予約する」の意味があります。下記のように、それぞれの意味を表したフレーズを一緒に覚えておくと、自然に意味も覚えられます。
- I have some English books.「英語の本をいくつか持っています」
- I’d like to book a twin room. 「ツインルームを予約したいです」
フレーズとセットで覚えることで「単語を覚えたけど使い方が分からない」失敗を防げます。これまで英単語の学習効果を感じられなかった人はぜひ意識してみてください。
書いて覚える
音読とあわせて、書いて覚えるアウトプットもおすすめです。単語のみでなく、単語を使ったフレーズを書き写す練習を繰り返すと実践で使える英語が記憶に定着します。
最初は教材から自分の目的やレベルに合ったフレーズをみつけ、書き写してみましょう。たとえば、日常会話を学びたい人は日常会話の頻出フレーズを書き写します。慣れてきたら、その単語を使って自分でフレーズをつくってみましょう。
英語学習で重要なのは復習です。一度書き写したらそのままにせず、日を空けてからまた同じフレーズを繰り返し書いてみましょう。また、時間に余裕がない時はすきま時間に書き写したノートを見返すのも復習になります。
単語を分解して意味を覚える
「伝える英語塾」濱口かずみ
覚えるのがとくに難しいのが、スペルが長い、発音が難しい、意味が難しいなどの単語です。そのような単語は、一度分解してみましょう。単語の成り立ちと意味をより深く理解できます。深く理解できると結果的に、記憶にも残ります。
たとえば、英単語の’comprehensive’を分解してみます。’comprehensive’は動詞‘comprehend’の形容詞です。動詞の‘comprehend’を2つに分解してみると、それぞれ違う意味を持っていることがわかります。
- ’com’「完全に」
- ‘prehend’「(意味を)つかむ、とらえる」
2つあわせて‘comprehend’になると「しっかり理解する」の意味を持ちます。そこから派生した形容詞の’comprehensive’は「理解力のある」「包括的な」「広範囲にわたる」の意味になります。
このように単語を分解してみるとその単語を違う角度から覚えられるだけでなく、関連する動詞や形容詞も一緒に覚えられるのがメリットです。
社会人が英単語を学習する際のコツ
英語学習ではインプットとアウトプットを両方取り入れた学習が大切です。しかし「何からはじめたらいいのか、どう進めたらいいのか分からない」人も多いでしょう。ここからは初心者でも真似できる、英単語学習のコツを解説します。
学習スケジュールを決める
Yukiコーチ
英語学習を習慣化するために、まずは学習スケジュールを決めましょう。たとえば「通勤時間にリスニングする」「毎日10個の英単語を音読する」など、いつ・どの学習をするのか具体的に決めておきます。
また、おすすめなのが寝る直前に単語を覚え、翌日の朝に復習することです。なぜなら、記憶は就寝中に定着するからです。これを毎日繰り返すと覚えた単語が記憶に定着していきます。学習のタイミングに悩む人はぜひ試してみてください。
学習目的に合った英単語を覚える
Mokoコーチ
英語学習をはじめる前に、英語学習の目的を明確にしておきましょう。英語を習得するには、多くの時間と努力が必要です。目的がはっきりしていないと、学習する理由が途中でわからなくなり挫折します。
また、具体的な目的を持つことで何から勉強すべきかがわかり、効率的に学習を進められます。 たとえば、「英語を使って将来仕事がしたい人」と「旅行で困らない英語力を習得したい人」では優先して学習する内容が違います。
ビジネスレベルを目指す人は、自分の仕事に関連する専門用語やビジネスシーンで使う単語を重点的に覚えましょう。TOEICの教材にはビジネスシーンで使える英単語や、専門用語なども含まれるため、教材選びに悩んだ際はぜひ取り入れてみてください。
旅行レベルの英語力を目指す人は、旅先でのコミュニケーションを想定したフレーズが学べる教材から学習しましょう。
英語を使ってやりたいことや行ってみたい国などを想像しながら学習すると、学習のモチベーションも続きやすくなります。
単語を使い自分で例文を作る
新しく英単語を学んだら、テキストの例文を覚えるだけでなく、その単語を使ったフレーズを自分でも作ってみましょう。
英語を学ぶ目的にあわせて、職場や旅先など実践で使えるフレーズをつくるのがポイントです。自分でつくるのが難しい場合は、その単語をインターネットで検索してみてください。オンラインの辞書や英語の記事から参考になる例文が見つかるでしょう。
慣れてきたらひとつの単語からシチュエーション別に、違うフレーズを2、3個つくってみましょう。ノートに書く際は、フレーズをシチュエーション別に分けておくと復習に便利です。
正しい発音を確認しながら覚える
たとえ単語を覚えていても、正しい発音ができないと実際のコミュニケーションでは通じません。新しい単語を学んだときや、知っているけれど発音に自信がない単語は音声教材で発音を確認しましょう。
とくに英語特有の発音のルールやリズムに慣れていない初心者は、単語を学んだら発音も必ずチェックしてみてください。
音声教材がない場合は、Google翻訳の音声機能が活用できます。「調べたい単語 発音」(例:comprehensive 発音)でGoogle検索すると一番上に表示されます。
また、単語の発音が聞ける辞書サイトやスマホアプリを活用するのもおすすめです。たとえば「Cambridge Dictionary」「weblio 英和辞典・和英辞典」などがあります。
関連記事:英語の発音を良くするには?基本の発音ルールとトレーニング方法
1冊の単語帳を反復学習する
Shin
同時進行で複数の単語帳を学習するのはおすすめしません。とくに初心者は、目的にあった単語帳を1冊選び、その内容を繰り返し学習してください。
人間は時間が経つと学習した内容を忘れます。複数冊を同時並行で進めると、復習がおろそかになります。まずは1冊の内容を何度も反復学習し、強固な記憶として脳内に定着させましょう。
アプリ・オンライン学習ツールもおすすめ
ほかの教材を試したくなったら、その教材のアプリやオンライン学習ツールが提供されていないか、チェックしてみましょう。アプリやオンライン学習ツールには単語クイズ機能やリスニングテストなどがあるので、そのような機能を使って復習するのもいいでしょう。
会話を練習する機会を持つ
アウトプットによる効率的な英語学習法の代表例が、会話練習です。英会話を習得するには「話す」練習が必要不可欠です。できるだけ早く、インプットした英語を会話を通じてアウトプットしてみましょう。
日常で英語を練習する機会がない人は、英会話関連のイベントをインターネットで探してみてください。初心者向けの国際交流会や言語交換会、英会話クラブなど、さまざまな英会話イベントが見つかります。
または、オンライン英会話に挑戦してみるのもいいでしょう。
会話練習を重ねると「この単語はスムーズに言えなかった」「この単語はよく聞き返される」などの気づきが得られます。自分の苦手部分がより明確になり、改善点もハッキリするため上達が早まります。
話すトピックと使うフレーズを決めておくのがコツ
話す内容を自分で提案できるときは、話すトピックと使うフレーズをあらかじめ決めておきましょう。思い通りに会話が進まないこともありますが、何も用意せず会話練習に挑むのはおすすめしません。
事前準備も行い、学習意識も持って会話練習を重ねると学習効率が上がります。
関連記事:英会話の勉強法|初心者が学ぶべき基本から上達方法まで
社会人にとって英単語を記憶に定着させるには復習と実践が大切
今回は、英単語を長期的に記憶に定着させるためのコツと効果的な学習法を紹介しました。
学習した内容を長期記憶として定着させるには、復習を前提とした学習が大切です。また、インプットとアウトプットのバランスも意識したいポイントです。
しかし、初心者で独学での英語学習に不安がある人や、人前で英語を話すのが恥ずかしい人、復習を効率よく実施できていない人もいるでしょう。そこでおすすめなのが「スピークバディ」です。
「スピークバディ」では、自分のレベルに合わせてコースを選べるので、初心者も無理なく英語学習をはじめられます。
レッスンは単語学習、リスニング、英会話・英作文のあとに応用練習に進む、5つのステップで構成されています。英単語をはじめとした総合的な英語力を鍛えられるのが特長です。
また、アプリではAIキャラクターとの会話を通じて、フレーズや発音を練習できます。フレーズは 800以上のシチュエーション別で学習できるため、実践で使える英語を最短で習得したい人におすすめです。
学習が終わるとAIが学習履歴を蓄積しそれぞれのユーザーに適した復習項目を提示してくれるため、復習も効率的です。
効率的に英単語を覚えたい人、これまでの英語学習に効果を感じられなかった人はぜひ「スピークバディ」を一度試してみてください。