英語の語彙力・ボキャブラリーの増やし方とは?効果的な4つの教材と使い方
英語学習のプロの意見 : 4
語彙力は英語学習の基礎とも言えます。もっと単語を知っていれば英語の文章を理解できたり、スムーズな英会話を楽しむことができたのに…という経験はありませんか?
英単語の重要性は誰もが知っている一方で、語彙力の増やし方については独学の方が多いようです。
この記事では、初級から上級までのレベル別に、語彙力を増やすための実践的な学習方法をご紹介します。また、英語学習のプロが提案する教材も参考に、語彙力の具体的な強化方法を学んでいきましょう。
この記事に登場する英語学習のプロ
Summer
TOEFL®iBT 100点。英語講師歴10年。青年海外協力隊参加後、英国大学院に留学。国際教育学修士を取得し、UNESCO(国連教育科学文化機構)にてエジプトの教育事業、JICAでスリランカの開発事業に従事。ドイツで出産、子育て。アドラー心理学を学び、英語を使って仕事や生活をする人たちを応援したく英語コーチングに従事。
Mokoコーチ
留学経験なしに国内で英語を学習。英語講師/ホテル勤務、地球一周の船旅でボランティア通訳を経験。コーチ歴4年目、現在までに英会話やTOEIC®のコーチングで100名以上のラーナーさんの学習を支援しました。
Yuuコーチ
日本生まれ。オーストラリア University of New South Wales 経済学専攻、卒業。英会話スクール勤務を経て、現在は英語公用語のグローバルなIT企業で働いています。子どもから大人まで英会話、文法、勉強方法などの指導経験あり。英検®1級、TOEIC®980点取得。猫を4匹飼っています。
Masumiコーチ
子供の頃から海外に興味があり、海外ドラマや洋画を観たり、洋楽を聞くうちに英語をもっと勉強したいという気持ちになる。外国語大学に進学し、第二言語習得論や異文化コミュニケーションを学ぶ。卒業後、オーストラリアに1年間語学留学。家庭教師、個別指導塾講師、翻訳、訪日外国人接客業務などに従事。英検®1級、TOEIC®970点取得。
「英語の語彙力の増やし方が分からない」みんなのお悩み
スピークバディ英語学習Q&Aの英語学習サポーターQちゃんには、以下のような語彙力についてのお悩みが英語学習者の方々から寄せられています。
- 語彙力が足りなくて、相手の言っていることを理解できない
- 自分のレベルはわからないけど、ボキャブラリーがまだまだだと感じる
- 中学生レベルの単語もわからず、言葉が口から出ない
このように語彙力が足りないために、結果的に英語の読解やコミュニケーションに自信が持てない方も多いようです。
語彙力を増やすための効果的な学習方法にはどんな方法があるか、英語学習のプロによる回答を見てみましょう。
【レベル別】英語の語彙力・ボキャブラリーを増やすための方法とは?
英語レベルによって、語彙力やボキャブラリーを増やすためのアプローチ方法は異なります。ご自身の学習歴や試験の結果からレベルを知り、最適なアプローチ方法を試してください。
初級:まずは語彙のインプットに集中
Summer
初心者の方は、インプット多めのトレーニングをしてからアウトプットのトレーニングに移行していくことをオススメします。 まずは、日常会話でよく使われる基本の語彙やフレーズを習得することが先決です。
初級:自分に合った学習方法を知ることが大事
Mokoコーチ
単語学習を継続してし続けるのは大変ですよね。 試験対策だと覚える単語も多いですし、記憶にも時間がかかるので、集中できないお気持ちはよくわかります。 まず、単語を覚える方法は人それぞれ違うのはご存じですか?人によっては見て覚えたり、書かないと覚えられない、という人もいます。 集中できないのは、学習のやり方が合っていないために疲れてしまったり、結果が出ないためモチベーションが続かないことも考えられます
中級:会話で使うためのインプットを増加
Yuuコーチ
学校で単語や文法をしっかり学んできていても、「語彙力がない、会話で言葉が出てこない」と感じられる方は多いようです。なぜなら学校英語では、「会話する前提で単語や文法をインプット(学習)していないから」だと考えます。 例えば、「How do I get to the station? (どうやって駅まで行きますか?)」と書いてあったら、多くの人は意味がわかると思います。でも、どんなシチュエーションでこのフレーズを使うのかという、文脈のないまま学んでしまうと、会話の中ですぐこのフレーズが出てこない状態に陥ります。 「会話の中で使う形のインプット」つまりアウトプットのためのインプットが圧倒的に足りていない、ともいえると思います。
中級:実践的な語彙力を身につけられる英字新聞や英語で学べる教材を利用
Masumiコーチ
上級レベルの方は、英語の発音や文法の知識不足で理解できないことより、語彙力不足が原因で会話相手の話した内容が理解できない方が多いと思います。 お仕事で英語を活かしたい方には特に、英字新聞を使って語彙力を高める学習をおすすめします。 ニュースの内容と共に単語を学習していくので、「この単語はこのニュースの中で使われていた」と関連づけて覚えることができ、記憶にも残りやすくなります。
上級:ネイティブもよく使う句動詞を取り入れて流暢さを補強
Yuuコーチ
単語といってもいろいろありますが、表現力を増やすのに句動詞を強化することはおすすめです。句動詞とは、動詞と前置詞(または副詞)を組み合わせた熟語のことです。 例えば take up は 「仕事や活動を始めること(start doing a particular job or activity)」という意味の句動詞ですが、ひとつひとつは簡単な単語ですね。でもネイティブは句動詞を頻繁に使うので(とくに会話で)、使いこなせると英語力・表現力の上達を実感できますよ。 英英辞典などを利用して、英語を英語のままで理解するようにすると、単語のコアイメージを理解するのに役立ちます。
このように、英語の語彙力を増やすとひとことで言っても、レベルによりさまざまな勉強方法があります。
英語学習のプロのコメントにもあるように、初級レベルの方はまずは単語や語彙の数を増やすためのインプット学習が重要になります。
日本語を話すときも同じで、知らない単語は使えませんね。まずは語彙の基礎を固めることで、後々の英語学習の効果もアップします。
また、語彙学習は反復練習がカギです。繰り返しの基礎練習が続くことから英語学習に挫折する危険性が高くなるため、なるべくストレスを感じずに学習を進められるように、自分にあった学習方法を見つけましょう。
反対に、中級者〜上級者の場合は、「わかる」だけでなく「使える」単語・フレーズを増やすことを意識することが大切です。英字新聞などの媒体で英語で情報を取り入れる習慣をつけたり、句動詞を使うことでよりネイティブライクな英語に近づけることができます。
もし、自己流で頑張っているのに英単語が覚えられない…と感じているなら、あなたのレベルにとって適切な学習法ではないのかもしれません。現在のご自身の英語レベルに合った学習方法で、単語の覚え方もグッと変わるでしょう。
そこで、次の章からは具体的な教材や、その教材を使ってどのように学習するのかをご紹介します。
【レベル別】英語の語彙力・ボキャブラリーを増やすための勉強法をプロがご紹介
【初級】「キクタン英会話」で語彙、フレーズを習得
Summer
元国連勤務。実践の場で使える英語力を育てるコーチ。アドラー心理学カウンセラー。
「キクタン英会話」とは?
日常会話でよく使われる基本の語彙やフレーズを習得するのにピッタリなのが「キクタン英会話」です。
日常会話で使うフレーズが、まずは1語から、そして段階的に5語以上のフレーズとなって紹介されています。【基礎編】、【初級編】と種類があるので、ご自身の現状のレベルにあった教材を選ばれるとよいと思います。
英会話力習得のためには、フレーズを本で読むだけではなく、音源で「聞いて」「真似して言う」というプロセスが欠かせません。
「キクタン英会話」を使った学習方法
- まずは見出しフレーズと解説を読む。必ず付属のCD-ROMの音声を使い、
- フレーズを聞く
- フレーズをダイアログで聞く
- フレーズをダイアログでまねる
このステップを順にやっていきましょう。フレーズはテンポのよい音楽にのって聞けるので、定着しやすいです。
英語は、できるだけ五感を使っていくことで方が単語やフレーズのコアイメージを体全体に習得しやすいのですが、この教材では、目、耳、口、+リズムを使って学ぶことになるので、効率的に学習を進めることができます。
【初級】NLP VAKタイプ分けテストでご自身のタイプ診断を行い、自分に合った語彙力の増やし方を
Mokoコーチ
留学経験なしに国内で学習。英語講師/ホテル勤務、地球一周の船旅でボランティア通訳を経験。文法指導も得意。
「VAK診断」とは?
単語を覚える方法を判断する一つの手法としてVAK診断というテストがあります。
VAK診断を受けてご自身が視覚(Visual)、聴覚、(Audible)、体感覚(Kinesthetic)のどの感覚を特に使って情報処理をしているのかを確認できたら、タイプ別の具体的な勉強法を見ていきましょう。
視覚優位の場合
単語帳を一冊選び、各ページの英語とその意味を一単語につき3秒程度でパッと見て次の単語に進むやり方がおすすめです。一日に覚える単語分すべてに目を通したら、また最初に戻る、というのを繰り返していくのです。一日30分から1時間程度ひたすら繰り返すことを1週間続けていきましょう。読む、というより、目に入れる感覚で大丈夫です。
聴覚優位の場合
視覚優位の場合と同様に一単語3秒程度でパッと見ながら、さらに声に出して発音したり、一日で覚える単語分の音源を一週間毎日繰り返し聞き続けることがおすすめです。
声に出してシャドーイングができるとさらに効果的ですね。
体感覚優位の場合
書いて覚えるのが有効なのですが、机に座って学習ができない場合もあると思います。
その場合は、指で単語を宙書きするのもおすすめです。
こちらも他の感覚優位と同様に、一単語3秒程度で日本語の意味を思い浮かべながら単語を書いて、次の単語へ、という具合に進めていきます。
ある程度覚えたら日本語訳、または英単語を隠して理解をテストするのも良いですよ。
一番大事なのはまとまった学習と、五感を使って覚えること
一つの単語ずつ覚えるのはどの感覚が優位であってもおすすめしません。そうすると、前に覚えた単語が新しい単語に上書きされてしまうので、必ずまとまった量を一気に覚えるようにしましょう。また、上に挙げた感覚は優位なだけであって、すべてではありません。視覚優位だから視覚に頼る、というのではなく、使える五感、例えば声に出したり耳で聞いたりなども併用する方が効果的ですのでお試しくださいね。英検の学習は四技能すべてが鍛えられるので英語力アップにとても有効です。
【中級】英字新聞「The Japan Times Alpha」を利用すれば、英語の語彙力・表現力を鍛えられる!
Masumiコーチ
第二言語習得論に基づいたコーチングを提供。家庭教師、講師、翻訳、訪日外国人接客業務などの分野で活躍。
「The Japan Times Alpha」とは?
The Japan Times Alpha は英語学習者向けの英字新聞です。毎週金曜日に発行され、日本国内や海外の政治、経済、スポーツ、エンターテインメントなど、様々な種類のニュースが掲載されています。今まさにネイティブが使っている単語や表現が学べる教材です。難易度の高い単語や表現には日本語訳がついており、ポイントとなる語彙や文法の解説なども記載されていて、効率よく学習を進めることができます。
定期購読会員になると、「Club Alpha」という会員限定のサービスから、ネイティブスピーカーが記事を読み上げた音声が聞けたり、記事を元にしたリスニング問題とスピーキングのエクササイズに取り組むこともでき、発信力が鍛えられます。
The Japan Times Alphaを使った学習方法
具体的にどう学習を進めていくかはこちらです!
自分の興味のある内容の記事を選ぶ。記事を切り取るかコピーをして、見開きノートの左側に貼る。記事全体を読んで、知らない単語に蛍光ペンでハイライトする。日本語訳が記載されておらず、意味がわからない単語を辞書で調べる。ノートの右側に新しく学んだ単語と意味をリスト化して書く。文法項目も確認しながら精読する。何度も記事を黙読、音読したり、リスト化した単語を英語→日本語、日本語→英語に瞬間的に訳せるまで取り組む。※定期購読した場合には、この手順に加え、記事の読み上げ音声を聞くリスニングも取り入れる。
The Japan Times Alphaを利用した学習のポイント
興味のある記事に絞って学習する。全てをやろうとしないことが継続の秘訣です。単語暗記には反復学習が欠かせないため、定期的に復習をしましょう。黙読だけでなく必ず音読もする。声に出すことで記憶に残りやすく、スピーキング力アップにもつながります。オンライン英会話などアウトプットする機会があれば、学んだ内容について先生に話してみましょう。または、記事内容を誰かに説明している状況をイメージしながら話してみると、さらにアウトプット力が高まります。お仕事に活かしたい方は特に、英語力と教養を身につけられる英字新聞はとても強い味方になってくれると思います。
4. 【上級】英語で英語を学ぶなら「Phrasal Verbs in Use」がおすすめ!コアイメージを理解し表現の幅を広げましょう
Yuuコーチ
オーストラリアの大学卒。IT企業で多国籍な社員と働く。TOEIC®980点、英検®1級。
Phrasal Verbs in Useとは?
ケンブリッジ出版の「Grammar in Use」は有名な文法書ですが、そのシリーズには句動詞を学べる Phrasal Verbs in Useがあります。中級(Intermediate)と上級(Advanced)がありますが、中級でもネイティブが使う実践的な表現を紹介していて、充分にやりごたえのある一冊だと思います。
Phrasal Verbs in Useを使うポイントは3つあります。
前置詞ごと、コンセプトごと、用途ごとに句動詞がまとまっているとくに前置詞ごとは、前置詞のコアイメージがつかめます。すべて英語で説明されているので、日本語訳にとらわれずに英語のまま理解しましょう。イラスト・写真がある単語やフレーズは、それ単体で覚えると「知っているのに使えない…」となりやすいです。Phrasal Verbs in Useでは人や状況の写真が載っているので、どんな場面で使われるのかも一緒に学習できます。ネイティブの会話例があるネイティブスピーカーによって書かれた教材なので、自然な会話例が解説やエクササイズに載っています。そのまま使える例文をぜひ活用し、自分のものにしていきましょう!
Phrasal Verbs in Useを使った学習方法
左側のページの解説を読んで、右側の問題を解く苦手なフレーズはノートやスプレッドシートにリスト化する前置詞ごとにまとめたり、他動詞か自動詞かを比較するなど、ご自身がわかりやすいようにまとめてもいいでしょう。リスト化したフレーズに集中して覚える実際にその句動詞を使って作文をしたり、会話で使うこのとき、映画のフレーズや英文メール、本の一部などを学んだ句動詞を使ってパラフレーズするトレーニングも有効です。
増えた語彙やボキャブラリーをアウトプットするなら「AI英会話スピークバディ」
英語の語彙力を増やすには、継続した練習が必要です。しかし闇雲に丸暗記するのではなく、自分に合った方法で、目標を立てて学習することが大切です。今回の記事では、初心者から上級者向けの学習方法、教材をご紹介しました。
インプットをしたら、アウトプットを繰り返すことで語彙力は定着します。そこで、アウトプット練習のためにAI英会話アプリスピークバディをおすすめします。単語やフレーズを覚えても、活用していかなければ話せるようにはなりません。しかし、忙しい毎日の中で英語をアウトプットする機会は少ないかもしれません。たとえば週1回の対人の英会話レッスンを受けるよりも、AIを相手に、1日1レッスン以上を毎日しっかり続けていくほうが、たくさんのアウトプットの機会が得られますよ。
スピークバディはAIキャラクター相手に800以上のリアルなシチュエーションから選んで実際に英会話ができるAI英会話アプリです。ネイティブがリアルで使う自然な会話を練習できるので、レッスンでどのように学んだフレーズが活用されているかにも注目してみましょう。そして新たなフレーズの習得も可能なのでどんどん話せるフレーズを増やしていきましょう!
今回の記事でご紹介した、語彙力の増やし方や教材がお役に立てれば幸いです。英語の語彙力を伸ばし、理解力や表現力も広がるように一緒にがんばりましょう。