英語長文で効率的に発音練習するステップとは?音読でリーディング力もアップ!
英語学習のプロの意見 : 3
「英語の発音練習にはどんな文がおすすめ?」
「英語を語順のまま理解するのが苦手でリーディングが遅い……」
こんな悩みや疑問を持つ英語学習者の方におすすめなのが、英語長文を使った発音練習です。
英語長文を使った発音練習には、発音改善の効果だけでなく、リーディングのスピードが早くなったり、英語を語順のまま理解できるようになったりというメリットがあります。
今回の記事では、英語長文を活用した発音練習のステップや練習の際の注意点、コツについて詳しくご紹介します。
この記事に登場する英語学習のプロ
Monicoコーチ
中学校の義務教育で英語に出会い虜になる。その後高校生で語学研修でオーストラリアに滞在、全然英語が話せなくて絶望する。外国語大学に進学し、ひたすら英語と向き合い続け、8か月の語学留学の後、ようやく英語に自信がつく。大人向け英会話学校で現役講師を務める傍ら、英語学習者向けのコラムなどライターとしても活動中。
Mokoコーチ
留学経験なしに国内で英語を学習。英語講師/ホテル勤務、地球一周の船旅でボランティア通訳を経験。コーチ歴4年目、現在までに英会話やTOEIC®のコーチングで100名以上のラーナーさんの学習を支援しました。
Shin
TOEIC®︎985、英検®︎1級、TOEFL®︎108。純日本人ながら、大人になってからの日本における自学自習で英語力を磨く。その後、大学受験予備校講師、英検®︎講師、TOEIC®︎講師、TOEFL®︎講師等、英語に関するあらゆる試験を指導する講師職に就く。
英語長文を使った音読・発音練習のメリット3つ
英語長文を使った音読には「発音やスピーキング力の改善に効果的だ」というイメージがあるかもしれません。
もちろん音読には発音改善の効果もありますが、それだけでなはく、リーディング力のアップや、文構造の理解がしやすくなるといったメリットがあります。
- 音読すると実践的な発音力が身に付く
- リーディングが得意になる
- 長文を語順のまま理解できるようになる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
音読すると実践的な発音力が身に付く
ネイティブの音声を聞いてから英語長文を音読すると、実際の会話で通用する発音力が身につきます。
無言で読むだけでは、英語特有の音のつながりや強弱のリズムを学ぶことができないので、実際の会話において発音がぎこちなくなってしまう可能性があります。
長文を音読する際、まずは音声を聞いて英語特有の音のつながりやリズム、イントネーションを確認し、その後ネイティブのような発音を意識して練習してみましょう。
さらに、音読は自分の発音の癖や間違いに気づくきっかけにもなります。
"th" や “r”のように日本語にはない発音が苦手、という方は練習中に自分の発音を録音し、あとから聞き直すのがおすすめです。録音を聞いて、自分の音がネイティブの発音とどのように違うのかを確認し、改善していきましょう。
リーディングが得意になる
長文の音読をすると、発音力やスピーキング力だけでなく、リーディング力もアップします。
初めのうちは、長文を声に出して読むのに時間がかかるかもしれません。
ですが、音読練習を繰り返すことで、口から言葉がスムーズに出てくるようになり、自然とリーディングのスピードも上がっていきます。
音読を習慣化すると、試験や仕事で長文を読む際のスピードが上がるので、ぜひ声に出して読んでいきましょう。
また、音読では飛ばし読みができないので、あいまいになっていた単語や文法構造をしっかり理解しないと文章全体の意味を理解できません。
音読には「なんとなく理解したつもり」になっている曖昧な部分を、明確にできるというメリットもあるのです。
長文を語順のまま理解できるようになる
英語長文を使った音読練習の大きなメリットは、語順のまま英語を理解できるようになることです。
日本語と英語の語順は全く違うので、文章を何度も返り読みして日本語に訳しながら考えていると、読むスピードが遅くなってしまいます。
また、返り読みする癖がついてしまうと、実際の会話で語順のまま理解することができず、英会話がスムーズにできないというデメリットもあります。
長文を使った音読練習を繰り返すと、文の意味を語順のまま理解できるようになっていきます。
「長文を読むのが遅い」「試験でいつも時間が足りなくなる」という悩みを持つ方には、長文を使った音読練習が効果的です。
英語長文を使った効果的な発音練習ステップ
英語長文を使った発音練習では、ただ単に音を真似するだけではなく、以下のステップで練習を進めていくのがおすすめです。より効果的に、発音力や読解力を上げることができます。
- 長文の内容を理解する
- スラッシュリーディングで文章の構造を理解する
- 音声を確認する
- 音声に続いて発音する
- オーバーラッピングやシャドーイングを行う
- 自分の発音を録音する
内容を具体的に見ていきましょう。
①長文の内容を理解する
まずは、長文全体の内容を理解することから始めましょう。
意味を理解せずに音を真似るだけの練習では、実践で使える会話力やリーディング力の向上にはつながりません。
最初に文章やスクリプト全体を読んで、わからない語彙や文章がないかチェックしましょう。
その後、ステップ②である文章構造の理解に進みます。
そもそも知っている語彙が全く出てこない、何度読んでも文章の意味が理解できない、という場合は長文の教材がご自身のレベルに合っていない可能性があります。
初心者の方は一度読んだだけで8〜9割は理解できる長文を選び、発音練習に集中できる環境を整えましょう。
②スラッシュリーディングで文章の構造を理解する
次に、スラッシュリーディングを使って文章を短いフレーズに分け、構造を理解します。
スラッシュリーディングとは、意味のまとまりごとに分けて読むリーディング方法です。
英語は日本語と語順が大きく異なるので、自然な日本語に翻訳しながら読もうとすると、一度文全体を読んで後ろから訳していく、といった手順が必要になる場合があります。
リーディングのスピードを上げ、スムーズに発音練習するために、スラッシュリーディングを活用してみましょう。
Monicoコーチ
③音声を確認する
文章の内容と構造を理解したら、次は音声を確認します。
ネイティブスピーカーの音声をしっかり聞き、発音やアクセント、リズム、イントネーションを確認しましょう。
この段階では、聞くことに集中し、自分ではまだ発音しなくて大丈夫です。
最初は長文を読みながら音声を聞き、自分が思っていた発音やイントネーションと違う部分があればメモしましょう。
この段階は、長文を使って発音練習する上でとても大切なステップです。そのため、必ず音声のついている教材を選んでみてください。
④音声に続いて発音する
音声を確認したら、次は音声に続いて実際に発音してみましょう。
このステップでは、リズムや発音を意識して、ネイティブスピーカーの発音を真似します。
最初はスムーズにできなくても大丈夫です。
重要なのは、聞こえた通りの音をできるだけ正確に再現することです。
発音練習をしていると、聞き取れていたつもりでも、実際に発音してみると口が動かない、という部分も出てきます。苦手な部分は重点的に練習していきましょう。
⑤オーバーラッピングやシャドーイングを行う
音声に続いて発音ができるようになったら、次はオーバーラッピングとシャドーイングを行うのがおすすめです。
オーバーラッピングでは、長文の文章を見ながら音声と一緒に発音します。
シャドーイングでは、文章を見ずに音声を聞きながら発音します。聞いた音を瞬時に再現する練習となるため、リスニング力とスピーキング力の両方を鍛えられます。
オーバーラッピングとシャドーイングは難易度の高い練習方法なので、まずはステップ④の音読がしっかりできるようになってから、このステップに進みましょう。
オーバーラッピングやシャドーイングをするなかで、音声のスピードが速いと感じたら、スピードを落とすのもおすすめです。
YouTubeの音声を使う場合、再生速度を0.5倍速や0.75倍速に変更できます。慣れてきたら、通常のスピードに戻して練習してみましょう。
Monicoコーチ
⑥自分の発音を録音する
最後に、自分の発音を録音して確認します。
録音を聞き直すことで、ネイティブスピーカーの発音と自分の発音を比較し、直した方がいい部分を具体的に把握できます。
録音する際は、以下の手順を試してみてください。
- 音声を聞き、その後に同じ文章を発音して録音する。
- ネイティブスピーカーの音声と自分の録音を聴き比べ、違いを確認する。
- 違いを意識しながら、再度練習を行う。
英語長文を活用した発音練習を続けるためのコツ
英語長文を使った発音練習は、継続することで効果が現れます。ですが、途中で挫折してしまう方も少なくありません。
練習を続けるためには、自分に合った計画を立てたり、便利なツールを活用したりすることがポイントです。
- 学習計画を立てる
- 英語長文を読み上げるツールを活用する
長期的に練習を続けるためのコツをご紹介します。
学習計画を立てる
発音練習を習慣化するためには、自分に合った学習計画を立てることが大切です。
ですが、自分だけではどんな学習法が自分に合っているのか、どのように学習していけばいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そんなときにおすすめなのが「AIカウンセラーに英語相談」です。
1,000件以上の英会話のお悩みデータ、第二言語習得理論の観点を持つAIと英語の悩みについて会話を進めていくことで、一人では具体化できない英語の悩みを明確にしてくれます
さらに、言語化した悩みを投稿して英語学習のプロからアドバイスをもらうこともできるため、「どのように今後学習していけばいいか」という計画が立てやすくなります。
英語長文を読み上げるツールを活用する
英語長文を読み上げてくれるツールは、発音の確認に役立ったり、興味のある長文の発音を手軽に確認できたりというメリットがあります。
気になる長文やニュースがあっても、特にネット上の文章の場合は音声がないケースが多いでしょう。そんな時に活用できるのが、読み上げツールです。
おすすめは、「音読さん」や「Natural Reader」です。ネイティブスピーカーのように自然な音声で、文章を読み上げてくれます。
読み上げスピードが調整できたり、アクセントをアメリカ英語やイギリス英語等で選べたりと機能が充実しています。
「音読さん」や「Natural Reader」は無料でも使えるツールですが、文字数や読み上げ時間に制限があります。手軽に発音を確認したいときに便利なツールなので、ぜひ活用してみてください。
英語長文で発音練習をするときの注意点
発音練習をより効果的に行うために、以下の注意点を確認しておきましょう。
- 音声付きの教材を選ぶ
- 1日30分&10回以上同じ長文で練習する
- 目標に合った長文教材を活用する
教材の選び方や練習方法を工夫すると、より効率的に練習できます。
音声付きの教材を選ぶ
発音練習を行う際は、必ず音声付きの教材やテキストを選びましょう。
発音は文章を見ただけでは正確に学ぶことができません。
ネイティブスピーカーの音声を参考にすることで、正しい発音やイントネーションを身につけることができます。
もし「音声がないけど興味があるからこの長文で音読したい!」という文章がある場合は、文章を読み上げてくれるツールやサイトを使って、音声を確認してみてください。
1日30分&10回以上同じ長文で練習する
同じ長文を繰り返し練習することは、発音やフレーズを身につけるうえでとても重要です。
音読は1日およそ30分程度行うと、効果が出やすいでしょう。
そして、長文は一度読んだだけで次に進むのではなく、少なくとも10回以上は発音練習していきましょう。
同じ文章を繰り返すことで、単語やフレーズが定着し、会話の中でも使えるようになります。
10回以上読んだ長文を、数週間や数ヶ月後にまた読むのもおすすめです。忘れている部分や発音があいまいになってしまった部分がきっと出てくるので、そういった部分を復習しましょう。
一度発音練習に使った文章はすでに精読が終わっているので、音読だけに集中できるというメリットもあります。
Mokoコーチ
目標に合った長文教材を活用する
目標に合っていない教材を使うと、モチベーションの低下につながってしまいます。
英語初心者の方は、一度目を通した時点でわからない単語がほとんどないレベルの長文を選びましょう。
読むだけなら簡単に思える文章でも、音読やシャドーイングは難しい、というケースは多いです。
初心者の方には、レベル別に分かれているDMM英会話の「DAILY NEWS」や、IBCパブリッシングが出版している「ラダーシリーズ」のような教材がおすすめです。
「ラダーシリーズ」では、「星の王子さま」や「美女と野獣」といった有名な物語を英語で楽しめます。
「文構造の解説を日本語でしてほしい!」という方は、長文読解に特化した「関正生のThe Rules英語長文問題集1入試基礎」といった教材で、長文の基礎を学びながら音読練習するのもいいでしょう。
中上級者の方は、より実践的な長文を使って学んでいくのがおすすめです。
TEDトークや、NHKの「ニュースで学ぶ『現代英語』」などを使って、発音練習してみましょう。これらはアプリで音声が確認できるので、手軽に音読練習できます。
また、レベルを問わず、「TOEICの長文で点数を上げたい」「プレゼンの練習がしたい」のように具体的な目標がある方は、自分の目的に特化した長文教材や参考書を使うと効率的に発音練習できます。
Shin
まとめ:英語長文を使って発音練習しよう!
英語長文を活用した発音練習は、発音力だけでなくリスニング力やリーディング力を上げるのにもぴったりの学習法です。
同じ長文を繰り返し練習して、フレーズや発音をしっかり身につけていきましょう。
もし「英語長文を活用した発音学習以外にも、英語学習について悩みがある」という場合は、自分が抱える悩みを言語化してみることもおすすめです。
悩みを言語化することで、具体的な対策も見えてきます。
株式会社スピークバディが運営する「AIカウンセラーに英語相談」では、AIとチャット形式で英語学習に関して困っていることなどについて会話をすることで、自分が抱えている悩みを明確にすることができます!
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執筆者=mayuri