英語のコロケーションとは?覚え方・学習法を理解して流暢な英語を話そう


英語学習のプロの意見 : 2

英語の基本は覚えたけれど、実際に英語を使う場面で相手に思うように伝わらなかったり、自分でもぎこちなさを感じたりした経験はないでしょうか?そんな時にはコロケーションを学ぶことが解決の糸口となります。
英語を使う場面では、単語を知っているだけではコミュニケーションが成り立ちません。単語を組み合わせ、フレーズや文に発展させて初めて成立します。単語の意味を覚えていても、どの単語と組み合わせるかについては中級者以上でも迷う方が多いです。したがって、コロケーションを学ぶことは英語を使いこなせるようになるために有効だと考えられます。
この記事では、より自然な英語表現が身につく「コロケーション」の学習に焦点を当て、効果的な覚え方や教材・サービスについて紹介します。コロケーションを覚えることでワンランク上の英語レベルを手に入れ、ネイティブに対しても自信を持ってコミュニケーションを取れるようになりましょう。TOEICなどの試験で高スコアも狙えますので、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事に登場する英語学習のプロ
英語のコロケーションとは?
コロケーションは「連語」とも言われ、2語以上の単語が組み合わさり、頻繁に使用される定型表現のことを指します。例えば、「strong coffee」や「make a decision」などのように、特定の単語が一緒に使われます。特に明確なルールや文法に基づいているわけではありませんが、ネイティブスピーカーにとって自然な表現として認識されるのがコロケーションと言われています。
例えば、「strong coffee」=濃いコーヒーは、「deep coffee」とは言いません。たとえ「deep」という単語に「濃い」という意味があっても、組み合わさる単語によってはネイティブに通じないことがあります。文法的には正しくても、コロケーションが違っていると相手は違和感を覚えます。
日本語でも、「電話に出る」「お香を焚く」などのコロケーションがあります。これが「電話に答える」「お香を燃やす」などの表現になると不自然に感じますよね。英語でも同様に決まった表現があり、これらのコロケーションを身につけることで、より自然な英語として相手に伝わりやすくなります。コロケーションを覚えるためには多くの英文に触れ、自分でも使いながら覚えていく必要があります。
英語のコロケーションの例
コロケーションにはいくつかのパターンがあります。最も多いのは「動詞 + 名詞」ですが、他の品詞もコロケーションに使われます。
以下に、コロケーションのパターンを挙げていきます。
- 動詞 + 名詞
- 形容詞 + 名詞
- 副詞 + 形容詞
- 動詞 + 副詞
- 名詞 + 名詞
- 形容詞 + 前置詞
- 句動詞(動詞 + 副詞/動詞 + 前置詞)
次に、それぞれのコロケーションを例文とともに紹介します。
動詞 + 名詞
英語のコロケーションのパターンで最も一般的なのが「動詞 + 名詞」の組み合わせです。
pay attention:注意する
It's important to pay attention to traffic signs while driving.
(運転中は交通標識に注意することが重要です。)
make a decision:決断する
We finally made a decision on where to go for our vacation.
(ついに休暇先を決めました。)
take notes:メモを取る
I always take notes when I'm on a phone call with a client.
(顧客と電話で話すときはいつもメモを取ります。)
形容詞 + 名詞
形容詞+名詞のコロケーションの例も見ていきましょう。
heavy traffic:ひどい渋滞
I was late to work because there was heavy traffic on the highway.
(高速道路が混雑していたので、仕事に遅れました。)
strong coffee:濃いコーヒー
I prefer to start my day with a strong coffee to wake me up.
(目を覚ますために、朝は濃いコーヒーから始めるのが好きです。)
bright future:明るい未来
I believe we have a bright future ahead of us.
(私たちには明るい未来が待っていると信じています。)
副詞 + 形容詞
続いて、副詞+形容詞のパターンです。比較的、単語を入れ替えても成り立つ組み合わせが多いコロケーションです。
quite interesting:とても興味深い
I found the book quite interesting.
(その本はかなり興味深いものでした。)
extremely cold:極寒の
It was extremely cold outside.
(外は非常に寒かったです。)
highly skilled: 高度に熟練した
She is highly skilled in web design and development.
(彼女はウェブデザインと開発に非常に熟練しています。)
動詞 + 副詞
動詞+副詞のコロケーションも多数あります。以下、動詞 + 副詞のコロケーション例です。
read aloud:声に出して読む
Reading aloud can help improve your pronunciation and fluency.
(声に出して読むことは、発音や流暢さを向上させるのに役立ちます。)
study hard:一生懸命勉強する
She studied hard for the exam.
(彼女は試験のために一生懸命勉強しました。)
speak fluently:流暢に話す
She can now speak fluently in three languages.
(彼女は今では3つの言語で流暢に話すことができます。)
名詞 + 名詞
名詞を2つ重ねるコロケーションもあります。
job interview:(就職の)面接
The job interview went well.
(面接はうまくいきました。)
power outage:停電
The storm caused a power outage.
(その嵐で停電が発生しました。)
government official: 官僚・政府関係者
The government officials toured the disaster-affected areas.
(政府関係者は被災地を訪れました。)
形容詞 + 前置詞
形容詞 + 前置詞のコロケーションは、熟語として暗記した方も多いのではないでしょうか。以下に例を挙げます。
interested in:興味がある
Are you interested in joining our club?
(私たちのクラブに参加することに興味がありますか?)
fed up with:うんざりしている
I'm fed up with all the traffic jams in this city.
(この街の交通渋滞にはもううんざりです。)
allergic to:アレルギーがある
He's allergic to shellfish.
(彼は甲殻類アレルギーです。)
句動詞(動詞 + 副詞/動詞 + 前置詞)
句動詞は、動詞と副詞または前置詞が組み合わさって特定の意味を持つ表現です。動詞 + 副詞のパターンは上記で説明しましたので、ここでは動詞と前置詞の組み合わせについて解説します。
動詞 + 前置詞のコロケーションの例:
make up for :埋め合わせる・補う
She bought him a gift to make up for forgetting his birthday.
(彼女は彼の誕生日を忘れたことを埋め合わせるために彼にプレゼントを買いました。)
make up with 人:仲直りする
They managed to make up with each other.
(彼らはなんとか仲直りしました。)
put up:設置する
We need to put up some shelves in the living room.
(リビングルームにいくつかの棚を設置する必要があります。)
put up with: 我慢する
I can't put up with his rude behavior anymore.
(彼の無礼なふるまいにはもう我慢できません。)
動詞と前置詞が組み合わさるパターンのコロケーション・句動詞については、特に覚えにくいと感じる方が多いと思います。以下は、句動詞を覚えるためのアドバイスです。

Monicoコーチ
コロケーションとイディオムとの違い
次に、コロケーションとイディオムの違いについて解説します。
イディオムは、そのままでは文法的な意味を持たず、文脈に応じて特別な意味を持つ固定された表現です。イディオムは文化的な背景や言語の慣習に基づいており、単語そのものの意味とは違った意味を作り出します。
イディオムも複数の単語が組み合わさって作られる表現ではありますが、日本語で言う「慣用句」のようなもので、コロケーションとは違う概念をもつ言語表現と言えます。
コロケーションは特定の単語や語句の自然な組み合わせであり、イディオムは直訳では意味が取れない固定された表現です。どちらも英語の理解において重要ですが、それぞれ異なる役割を果たしています。
イディオムの例:
piece of cake:簡単なこと、朝飯前
Passing that test was a piece of cake for him.
(そのテストに合格するのは彼にとって簡単なことでした。)
beat around the bush:遠回しに言う
He always beats around the bush when I ask him about his plans.
(私が彼の計画について尋ねると、彼はいつも遠回しに話します。)
cut to the chase:本題に入る
Let's cut to the chase and discuss the main issue.
(本題に入って、主要な問題を話し合いましょう。)
コロケーションを学ぶメリット
コロケーションを学び使えるフレーズが増えると、英語の四技能全体の底上げが期待できます。スピーキングやライティングといったアウトプットのスキルはもちろん、リーディング、リスニングのインプットスキルも伸びます。
以下に、それぞれのスキルにどのように活かされるか解説します。
- スピーキング力・ライティング力の向上
- リーディング力・リスニング力の向上
- 語彙力の向上
- 資格試験
スピーキング力・ライティング力の向上
コロケーションの習得は、スピーキングやライティングといったアウトプットの場面で大きな力を発揮します。適切なコロケーションを使用することで、より自然で洗練された英語となり、文章の表現力や説得力が向上します。
また、コロケーションは言葉のニュアンスをより正確に伝えるのに役立ちます。同じ意味を持つ言葉でも、異なるコロケーションを使うことで微妙なニュアンスの違いを表現することができます。これにより、自分の意思を明確に伝えられ、相手とのコミュニケーションがさらに豊かなものになります。
リーディング力・リスニング力の向上
文章読解やリスニングの際も、知っているコロケーションが多ければ読解や聞き取りのスピードが上がり、文中の言葉をまとまりとしてとらえられるようになります。さらに、次に出てくる単語やフレーズを予測しながら読んだり聞いたりできるようになるため、文章全体の意味理解がより深まります。
語彙力の向上
コロケーションの学習は語彙力の向上にも効果的です。特に、「すでに知っている単語 + 知らない単語」の2つを組み合わせたコロケーションを覚えることは、単独で単語を覚えるよりも記憶の保持に効果があるという研究結果もあります。
単語学習は、コロケーションを組み合わせて取り組むことでより高い効果が期待できるといえます。
参考資料:The effect of known-and-unknown word combinations on intentional vocabulary learning
資格試験
TOEICやIELTSなどの資格試験の際にもコロケーションの学習が役立ちます。TOEICやIELTSには独特の出題傾向があり、それぞれの試験に頻出するコロケーションを覚えておくことで、問題文や選択肢を見た瞬間に解答できる力がつき、考える時間の短縮にもつながりますよ。
コロケーションの効果的な覚え方を5ステップで解説
続いて、コロケーションの効果的な覚え方をステップごとに解説します。ステップごとに学習することで、より理解を深められますのでぜひ実践してみてくださいね。
- 単語学習と合わせてコロケーションも一緒に調べる
- 例文をよく読む
- 音読・リピーティング
- 音声教材や動画で実際の使用例を確認する
- 英会話やライティングで実践する
1. 単語学習と合わせてコロケーションも一緒に調べる
わからない単語を調べる際は、コロケーションについても合わせて調べる習慣をつけると効果的です。英語は単語単体ではなく、複数の語彙が組み合わさることで意味を成します。どのような単語と合わさって使われているかについても一緒に調べておくことで、単語の意味理解もより深くなるでしょう。
単語だけを覚えてもその前後に続く表現がわからなければ、迷ってしまうことがありますが、コロケーションを意識して学習することで、実際に話したり書いたりする場面で役に立ちます。
2. 例文をよく読む
コロケーションをしっかりと理解するためには、例文を合わせて読んだり聞いたりすることが効果的です。お手本の音声やテキストがあればそれらを活用しましょう。
フレーズだけでは頭に入りにくいですが、例文を通して読み聞きすることで、コロケーションの意味や使い方をより理解しやすくなります。もっと例文を確認したいときは、SNSでそのフレーズを検索したり(Xが特におすすめです)、ChatGPTなどの生成AIツールを活用したりすることで、よりリアルな例文が見つかります。
単にコロケーションをフレーズとして暗記するだけでなく、例文をしっかりと確認し、どのような文脈で使われるかを把握することがポイントです。
3. 音読・リピーティング
上記の例文をただ黙読して終わらせるのではなく、聞いてリピートしたり、自分でも音読をしたりして、スムーズに発話できるようになるまで声に出してみましょう。繰り返し例文を読み聞きし、使い方を確認することで、自分の言葉として使えるようになります。
4. 音声教材や動画で実際の使用例を確認する
コロケーションをインプットした後、音声や動画などでそのコロケーションが使われている場面を見聞きし、実際にどのように使われているかを確認します。そうすることで、コロケーションの使い方やニュアンスをより理解し、適切な場面での使い方を把握することができます。
どのような状況で使うのか(肯定的/否定的な意味合いなのか・人物の主語/itなどの無生物主語で使われるのかなど)がわかり、表現の幅がグンと広がります。
5. 英会話やライティングで実践する
上記の学習でインプットしたコロケーションは、実際に自分でも使って体に染み込ませることが重要です。英会話や英作文、英語日記など、アウトプットの機会を増やし、覚えたコロケーションの表現を積極的に使いましょう。SNSを活用して書き込むのも良いですね。可能であれば使った表現・コロケーションについて添削・フィードバックを受けられるとさらに効果的です。
英語のプロも、実際にアウトプットして覚えることを推奨しています。

Konコーチ
コロケーションの理解が必要な理由とは?
続いて、英語でのコミュニケーションにおいて、コロケーションの理解が必要な理由を説明します。
- 文法的に正しくても、コロケーションが正しくなければ伝わらないことがある
- 日本語からの直訳では意味が伝わらないことがある
文法的に正しくても、コロケーションが正しくなければ伝わらないことがある
前述のように、コロケーションにはある程度決まった組み合わせがあるため、異なる単語の組み合わせでは、文法としては正しくても相手にうまく伝わらない場合があります。相手が頭をフル回転させて、言いたいことを察してくれることもありますが、できれば自分の英語で伝えたいですよね。そのためには、コロケーションを覚えて英語ならではの表現を意識して使うことで、より伝わりやすく、洗練された英語になります。
自分で英文を作る際、文法の知識があるのになんとなくぎこちなさや不自然さを感じる方は、コロケーションを覚えることで英語レベルを上げられるでしょう。もちろん正しい文法で話すことも大切ですが、正しいコロケーションを使って伝えられるようになると、コミュニケーションがよりスムーズになります。
日本語からの直訳では意味が伝わらないことがある
英語で話したり書いたりする際に、コロケーションを知らないと日本語から直訳した英文になりがちです。
極端な例では、「電話を切る」をそのまま訳して「cut the phone」と表現してしまい、結果として相手に伝わらないことがあります。「電話を切る」というコロケーションを知っていれば、「hang up the phone」と表現することができますよね。リアルタイムで進行するコミュニケーションで自信を持ってやり取りできるように、コロケーションを覚えておくことは有益であると言えます。
コロケーションを学べる教材・アプリ・サイト
次に、コロケーションの学習に最適な教材・ウェブサイト・アプリをご紹介します。
- 小学館 オックスフォード 英語コロケーション辞典
- Englishclub.com
- iKnow!
- YouGlish
- Playphraseme
小学館 オックスフォード 英語コロケーション辞典
小学館 オックスフォード 英語コロケーション辞典は、コロケーション辞典では最大級の約14万5000のコロケーションを収録しており、英語学習に必要なコロケーションを網羅しています。
日本人学習者にとって使用頻度の高い2,500の見出し語が取り上げられ、用例や例文も豊富です。書籍版とアプリ版があるので、学習スタイルに合った方を選ぶと良いでしょう。アプリ版では検索、ブックマークや履歴機能が充実しています。
Englishclub.com
Englishclub.comは、文法から語彙、発音など、英語の四技能を総合的に学べる学習サイトです。コロケーションに関するコンテンツも豊富に提供されており、よく使われるコロケーションがリスト化されていたり、アルファベット順にコロケーションを検索できたりします。さらに、Collocation GamesやQuizなどゲーム感覚の学習ツールを通じて、楽しみながらコロケーションの理解を深めることができます。
iKnow!
iKnow!はDMM英会話が提供している英語学習サイトです。英会話フレーズ・コロケーションのコースでは、初~中級レベルのフレーズ・コロケーションを800個、例文つきで紹介しており、ネイティブの音声も一緒に確認できます。
日常生活でよく使われるフレーズやコロケーションをまとめており、例文も豊富にありますので、音声を聞いてリピート、シャドーイングなどの学習や、例文を参考にしながらオリジナルの文を作ることも良い練習になるでしょう。
YouGlish
YouGlishは、YouTubeに投稿された数百万もの英語の動画から、特定の単語やフレーズがどのように使われているかを簡単に確認できる学習サイトです。
YouGlishの検索バーに調べたいコロケーションを入力すると、その単語やフレーズが実際にYouTube動画でどのように使われているかを示すクリップ(動画の一部分)が表示され、前後の内容も聞くことができます。このクリップは、実際の人々の発話から抜粋されているため、そのコロケーションがどのような文脈で使われているかを理解するのに役立ちます。さらに、動画の下には英語字幕が表示されており、聞き取りにくい表現も字幕で確認できます。
もともとは発音を確認できる学習サイトでもあるため、アメリカの発音、オーストラリアの発音などにしぼって聞くことも可能です。
Playphraseme
Playphrasemeは、英語のコロケーションを入力すると、その言葉を含んだ映画やドラマの一場面が抜粋され表示されるアプリです。まるでフラッシュカードのように、次々にあらゆる映画やドラマのワンシーンが流れてくるため、どのような場面で使うのか、実際に使っている感覚をつかむことができます。
Playphrasemeはブラウザでもアプリでも使えますが、ブラウザでは1つのフレーズにつき5個までのクリップという制限があります。アプリでは制限なく使えますので、アプリでの利用がおすすめです。
コロケーションを覚えてワンランク上の英語レベルを目指そう
コロケーションの学習は、単語や文法の学習と同じくらい重要です。コロケーションを学ぶことで、文章や会話がより滑らかになり、相手に意図を正確に伝えることができますので、積極的に取り入れてみましょう。例文を聞いたり読んだりしながら繰り返し練習することがポイントです。
覚えたコロケーションは、実際に使う機会を作りましょう。AI英会話スピークバディでは、AIキャラクターとの会話を通じて実践的な英文やフレーズを学ぶことができます。日常会話やビジネス会話など、さまざまなシチュエーションでの会話練習が可能です。1日10~15分間のレッスンで効果的な英会話の練習ができるため、短時間でもコロケーションの理解と実践を同時に進められます。インプットとアウトプットをバランスよく行いながら、英語力を総合的に向上させましょう。
AI英会話スピークバディは無料体験ができますので、英会話スキルを高めたい方はこの機会にお試しくださいね。
執筆者=アソミ