ディクテーションは意味がない?メリットと正しいやり方を詳しく解説
英語学習のプロの意見 : 2
ディクテーションは、英語のリスニング力を大幅にアップさせるトレーニングとして、人気を集めています。
しかしその一方で、「ディクテーションは意味ない」「ディクテーションをやったけど効果なかった」という声も多く聞かれますよね。
そのため、ディクテーションを英語学習に取り入れてみたいけれど、本当に効果があるのか不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ディクテーションがなぜ「意味ない」といわれてしまうのか、その理由について分析し、ディクテーションのメリットと効果、正しいやり方について解説します。
ディクテーションを行う際におすすめの教材も紹介しているので、ディクテーションを始めてみたい方はぜひ参考にしてください。
この記事に登場する英語学習のプロ
Masumiコーチ
子供の頃から海外に興味があり、海外ドラマや洋画を観たり、洋楽を聞くうちに英語をもっと勉強したいという気持ちになる。外国語大学に進学し、第二言語習得論や異文化コミュニケーションを学ぶ。卒業後、オーストラリアに1年間語学留学。家庭教師、個別指導塾講師、翻訳、訪日外国人接客業務などに従事。英検®1級、TOEIC®970点取得。
ERI
大学卒業後、大手電子部品メーカーの営業職として勤務。英語の必要性を感じ社会人になってから英語学習をリスタート。仕事、子育てと両立しながらもTOEIC®︎400点から900点台へ独学でスコアアップ。英語講師を経て現在は英語コーチ5年目。得意分野は初心者さん向け、大人のやり直し英語とTOEIC®︎対策。10代から60代まで160人以上の幅広い学習者さんのサポート。TCS認定コーチとしてライフコーチングも提供中。公式HPブログでは、仕事や子育てなどで忙しい大人世代が、ご機嫌に英語学習を続けていくための気持ちの整え方、ちょっとしたコツを発信中。
ディクテーションとは
ディクテーションは、英語音声を聞いて、一語一句書き取るトレーニングです。「dictation(口述筆記)」という英単語に由来します。
リスニング力を中心に、英語力を総合的にアップさせてくれる英語学習法として人気のトレーニングです。
ディクテーションには、穴あきの文章を埋める形で行う穴埋め形式と、一文をすべて書きとる形式があります。
ディクテーションは、英語のプロも自信を持って進める学習法です。
Masumiコーチ
「有名なシャドーイングに比べて、ディクテーションって本当に効果があるの?」と不安に思われる方もいるようですね。
しかし、Masumiコーチの回答通り、ディクテーションを行うことで、リスニング力を大幅に向上させることができるだけでなく、語彙力や文法知識を向上させることもできます。
リスニングに悩みを抱える人には、ぜひ取り入れたい英語学習法といえます。
「ディクテーションは意味ない」といわれてしまう理由
前の章で紹介した通り、ディクテーションは、リスニング力を中心に、英語力を大きくアップさせてくれるおすすめの学習法です。
その一方で、「ディクテーションは意味ない」「ディクテーションの効果が実感できなかった」という声も多く聞かれるのはなぜなのでしょうか。
この章では、ディクテーションが「意味ない」といわれる理由について深掘りします。
時間がかかる
ディクテーションが「意味ない」といわれる理由の一つに、ディクテーションというトレーニングが、かなり時間のかかる学習法であることが挙げられるかと思います。
ディクテーションでは英文を1文ずつ聞き取り、音声を止めて、書き取ります。
分からなかったところは何度も聞き返して、1文を書き上げるので、文章を1セット終えるのに30分以上かかることも少なくありません。
そのため、なかなかトレーニングが進まないことにイライラしてしまい、途中で諦めてしまう人が多いようです。
そのため、ディクテーションは「意味ない」「効果を実感できない」といわれてしまうのかもしれません。
しかしディクテーションは、じっくり取り組めば、やがてとても高い学習効果が期待できるトレーニング法です。
焦らずコツコツとトレーニングを進めることをおすすめします。
スピーキング力に直結しにくい
ディクテーションが「意味ない」といわれがちなもう1つの理由が、スピーキング力アップに直結しにくいことでしょう。
「英語力をアップさせたい」という人の多くは、スピーキング力を伸ばしたいと考えているかもしれません。
しかし、ディクテーションは聞こえてきた英文を「書きとる」トレーニングなので、スピーキング力アップに直接つながりにくいというデメリットがあります。
ただ、ディクテーションは、直接的ではないものの、間接的にスピーキング力アップに大きな効果をもたらします。
なぜなら、第二言語習得論では、英語学習者は「聞く」「読む」スキルの基礎を固めてから、「話す」「書く」ことを習得していくといわれているからです。
なお、この記事では、ディクテーションの最後に、英語全文を声に出して発声するステップを踏むことを推奨しています。
ディクテーションが「意味ない」といっている人は、文を書きあげて満足してしまい、「文章を実際に声に出す」ステップを踏んでいない可能性があります。
文章を完成させたら、最後に音読やシャドーイング、オーバーラッピングなどの手法で全文を「読み上げる」ことで、スピーキングに直結したトレーニングとなるでしょう。
ディクテーションのメリット
ここまで、ディクテーションが「意味ない」といわれてしまう理由について解説しましたが、ディクテーションは実のところ、英語学習者にとてもおすすめしたい学習法です。
この章では、ディクテーションをおすすめしたい理由を紹介します。ディクテーションのメリットは以下の3つです。
- 進め方がシンプルで分かりやすい
- 上達していることが実感しやすい
- 単語・文法の知識を効果的に復習することができる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
進め方がシンプルでわかりやすい
ディクテーションのトレーニングの結果は、文章という「見える形」に残ります。
つまり、学習の進捗度も、攻略すべき弱点も「見える化」することができるため、進行方向に迷わず学習を進めることができるのです。
音読やシャドーイングなどのリスニング学習法は、ネイティブの発音をマネしていくにも、「どれだけネイティブの発音に近いのか」自分で判断することは困難です。
「何回くり返せばいいのか」も、基本的には自分の感覚で進めるしかありません。
その点ディクテーションなら、「文字化できるようになった」=「聞き取れるようになった」といえるので、次のステップに進むべきタイミングがすぐにわかるのです。
上達していることが実感しやすい
上の項でも述べましたが、ディクテーションは、聞こえてきた英語音声を文章という形に「見える化」するので、聞き取れているか聞き取れていないかが一目でわかります。
はじめは全く聞き取れなかった英文が、徐々に聞き取れるようになる変化がはっきりわかるので、上達していることが実感しやすいというのもディクテーションのメリットの1つです。
上達していることが実感できると、学習しながら安心感が生まれ、英語学習に挫折しにくくなります。
単語・文法の知識を効果的に復習することができる
ディクテーションのトレーニングを進めていると、分からない文法事項や単語・フレーズに出会うこともあるかと思います。
その場合、その都度復習を行うことになるわけですが、活きた英語を通しておさらいするため、参考書をで学ぶより単語・文法の知識が記憶に残りやすいというメリットがあるのです。
ディクテーションの効果
ここまで、ディクテーションは決して「意味のない」ものではなく、メリットがたくさんあるということを紹介してきました。
それでは、ディクテーションには具体的にどんな効果があるのでしょうか。この章では、ディクテーションを通して得られる学習効果について解説します。
- リスニング力がアップする
- 自分の弱点を洗い出すことができる
- 英語力が総合的にアップする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
リスニング力がアップする
ディクテーションを行うことで最も期待できる効果は、リスニング力の向上です。
そもそも英語のリスニング上達の基本となるのは、英語の「正しい音」を覚えることにあります。
そのため、単語を覚える時は、必ずお手本となるネイティブの音声とセットで覚える必要があります。
しかし日本人の多くは、正しい音を知らないまま、カタカナで英単語を覚えてしまう人も多く、その結果、「英文は読めるのに聞き取りができない」という現象が起きてしまいます。
そこで、「英語の正しい音」を覚えるのに最適なのがディクテーションです。
ディクテーションでは、聞こえてきた音を1文字ずつ文字に書き起こす必要があるため、「聞こえていなかった音」が一目でわかるためです。
その結果、英語の個々の音だけでなく、英語の音声変化によって「発音されない音」にも気づくようになり、リスニング力の大幅アップが期待できます。
自分の弱点を洗い出すことができる
ディクテーションでもう1つ注目したいポイントが、自分の弱点を洗い出すことができるという効果です。
ディクテーションでは、自分の聞き取れたこと・聞きとれなかったことが文章として残ります。
そのため、自分の弱点が「見える化」され、弱点別の対策を講じることができるのです。
ディクテーション「聞き取れなかったポイント」を通して、以下のような弱点を明らかにすることができます。
- 単語・フレーズを知らなかった・覚えていなかった
- 文法事項を知らなかった・覚えていなかった
- 単語レベルの発音が聞き取れていなかった
- 文単位で音声変化が把握できていなかった
単語・フレーズや文法事項の知識が不足していると感じたら、まずその知識を補強することから始めてもよいでしょう。
英語の音が聞き取れていないと感じたら、音読やシャドーイング、オーバーラッピングなど、リスニングスキルをさらにアップさせるトレーニングを並行して行うことをおすすめします。
弱点別の対策については、ERIコーチの意見も参考にしてください。
ERI
自分の弱点を明らかにし、弱点に応じた個別の対策を講じることができるのが、ディクテーションの大きな効果といえます。
英語力が総合的にアップする
ディクテーションは、リスニング力以外にも、様々な英語のスキルをアップさせることができます。
例えば、英語の「推測力」です。ディクテーションを行っていると、1つの単語が聞き取れなくても、周りの内容からその単語を推測することができるようになります。
また、リスニングした内容を瞬時にアウトプットする必要があるので、情報処理能力や短期記憶力も鍛えることができます。
その結果、英語力を総合的に底上げすることができ、スピーキング力やライティング力などの向上にも役立てることができるのです。
ディクテーションの正しいやり方
ここまで、ディクテーションのメリットや効果について紹介してきました。
この章では、具体的にディクテーションをどのように進めればよいか解説します。
ディクテーションは、以下の6つのステップで進めていきます。
- 英語音声全文を聞く
- 1文ずつ音声を止めながら書き取る
- もう1度英語音声全文を聞く
- スクリプトを見ずに書いた内容をチェックする
- スクリプトを見て間違いをチェックする
- 英語音声を聞きながら全文を声に出して読み上げる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
英語音声全文を聞く
ディクテーションを行う前に、まずは対象となる英語の文章を、スクリプトを見ずに通して聞きます。
途中で止めずに聞いて、全体の内容をとらえるように心がけましょう。この時点で、どんな内容の英文か、あらかじめ推測しておきます。
1文ずつ音声を止めながら書き取る
英文をすべて聞いたら、いよいよディクテーションに移ります。1文ずつ音声を止めて、聞こえてきた英語音声を聞き取りましょう。
最初から1語1句聞き取れるわけではないので、聞き取れた内容や、理解できた内容を書き留めましょう。
そして、聞き取れるまで同じ文を聞き直し、その都度自分の書いた内容を改変していきます。この時、同じ文を聞き直すのは3~5回くらいにとどめましょう。
また、英語の音を聞き取ろうとすると、意味への理解がおろそかになりがちですが、意味も理解しようと心がけることで、むしろ英文は聞き取りやすくなります。
もう1度英語音声全文を聞く
ディクテーションが終わって全文を書き終えたら、その文章を目で追いながら、英語音声を通して聞き直しましょう。
この時、英文は止めずに、自分で書きとったものに足りないところや誤りがあれば、書き足したり修正したりします。
スクリプトを見ずに書いた内容をチェックする
英語音声全文を聞いたら、スクリプト(答えとなる書き下し文)はまだ見ずに、自分で書いた内容をチェックしていきます。
まずは冠詞・前置詞・他動詞の目的語など、「文法的になくてはならない単語」が抜け落ちていないかチェックしましょう。
ディクテーションに慣れてきたら、スペルミスや複数形のs、時制など細かいところもチェックする必要がありますが、最初は単語の脱落を中心にチェックするのがおすすめです。
スクリプトを見て間違いをチェックする
書いた内容の自己チェックが終わったら、お手本のスクリプトと自分の書いた文章を照らし合わせて間違いをチェックしましょう。
このステップでメインに行うのは、「間違った」ことを確認するのではなく、「なぜ間違ったのか」原因を洗い出すことです。
ディクテーション中にうまく英語音声を聞き取れなかった原因としては、以下のようなものが考えられます。
- 知らない単語・フレーズがあった
- 知らない文法事項があった
- 知っている単語だったが、発音が思っていたのと違っていた
- リンキング・リダクションなどの音声変化が聞き取れなかった
- スピードに追い付けなかった
このように自分の弱点を洗い出して対策することで、リスニング力が向上し、次の学習へとつなげることができます。
ちなみに、どうしてもスピードに追いつけないと感じたら、教材のレベルが自分に合っていない可能性も考えられます。
もっとやさしい教材に切り替えるか、英語音声のスピードを落とすなどして、無理なくディクテーションに取り組みましょう。
英語音声を聞きながら全文を声に出して読み上げる
ディクテーションの最後に必ず行いたいのが、英語音声を実際に声に出して読み上げるステップです。
ディクテーションが「意味ない」「効果が実感できない」という人は、英文を書きあげて満足してしまっていて、英文を声に出すステップを踏んでいない可能性があります。
スピーキング力に直結しにくいディクテーションですが、実際に声に出して英文を読み上げることで、スピーキング力アップにも役立てることができます。
まずは英語音声を流しながらスクリプトを見て、音声に合わせて一緒に声に出して英文を読みましょう。この発声方法は「オーバーラッピング」と呼ばれています。
もし余裕があるなら、スクリプトを見ずに音声だけを頼りに2〜3秒遅れて発声する「シャドーイング」も行いましょう。
シャドーイングまで行えば、リスニング力だけでなく、スピーキング力の大幅な向上も期待できます。
ディクテーションのコツ
この章では、ディクテーションのトレーニングをスムーズに進めるコツについて紹介します。
ディクテーションを行う際に留意したいコツは以下の3つです。
- 自分の英語レベルに合った教材を選ぶ
- 他の英語学習トレーニングと組み合わせる
- 音だけでなく内容も意識する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自分の英語レベルに合った教材を選ぶ
どんな学習法にもいえることですが、リスニングのトレーニングを行う時は、「理解可能なインプット」を取り入れると効果的です。
そのため、「知らない単語がたくさんある」教材では、ディクテーションを効果的に進めることができません。
「初めて聞いても8割方理解できる英語音声」を教材として選ぶのがおすすめです。
また、長すぎる英語音声では1回のトレーニングに時間がかかりすぎてしまうため、通して流して30秒~1分程度のものから始めましょう。
他の英語学習トレーニングと組み合わせる
ディクテーションはリスニング力の大幅な向上が期待できるトレーニングですが、リーディング力・ライティング力・スピーキング力には間接的な効果しかもたらしません。
そこで、前の章で紹介した通り、ディクテーションのあとには、オーバーラッピングやシャドーイングを合わせて行うと、スピーキング力アップにつながります。
また、そもそも英語学習は「読む・書く・聞く・話す」の4つのスキルをバランスよく鍛えると非常に効果を発揮します。
さらに、毎日ディクテーションだけを行っていては、トレーニングに飽きてしまいますよね。
そのため、洋楽を聴いたり、オンライン英会話で実践したりなど、様々な英語学習トレーニングとディクテーションを組み合わせることをおすすめします。
音だけでなく内容も意識する
ディクテーションを行っていると、一言一句書きとろうとするあまり、細かい音に注意が向きがちで、意味理解がおろそかになってしまうことがあります。
しかし、一文を記憶して書きとるには、音だけでなくむしろ意味に注意を向けた方が、文の内容を記憶にとどめやすいのです。
ディクテーションを行う際は、聞こえてくる音だけでなく、文全体の意味をとらえるつもりで聞き取ると、トレーニングを効果的に進めることができます。
ディクテーションの注意点
この章では、ディクテーションを、挫折することなく効率的に進めるために注意したい点について解説します。
ディクテーションを行う際に注意したいのは、次の2点です。
- 長時間行わない
- 何度も何度も聞き返さない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
長時間行わない
ディクテーションは聞こえた英語音声を一語一句聞き取るトレーニングのため、非常に高い集中力を要します。
そのため、長時間ディクテーションに取り組むと、疲労やストレスがたまり、挫折の原因になってしまう可能性があります。
最初は通して流して30秒以内の英語音声を教材に、30分くらいかけて取り組むことを目安にしましょう。
また、毎日必ずトレーニングを行うと決めるのではなく、弱点をじっくり克服してから次のトレーニングに臨みましょう。
慣れてきたら少しずつ時間と頻度を増やすことで、無理なくディクテーションのトレーニングを進めることができます。
何度も何度も聞き返さない
ディクテーションのトレーニングを行っていて、聞き取れない文があった時は、同じ文を聞き返しますが、聞き取れないからといって何度も何度も聞き返すのでは、ディクテーションの効果は望めません。
ディクテーションで聞き取れなかった時に聞き返す回数は3回程度、多くても5回までがおすすめです。
3〜5回以上聞き返しても聞き取れない英文は、それ以上聞いても聞き取れない可能性が高いです。
ディクテーションで大事なのは、聞き取れない文を聞き取ろうことではありません。
聞き取れない文について、「なぜ聞き取れなかったのか」という弱点を洗い出すのが、ディクテーションの大きな役割です。
ディクテーションにおすすめの教材
この章では、実際にディクテーションを行う際におすすめの教材を、レベル別に紹介します。
この記事でおすすめするのは、以下の5つの教材です。
初心者向け:
- ゼロからスタートディクテーション
- 究極の英語ディクテーション Vol.1
中級者向け:
- スタディサプリENGLISH(日常英会話コース)
- ディクトレ
上級者向け:
- CNN ENGLISH EXPRESS
それぞれ詳しく見ていきましょう。
初心者向け
英語レベルが初心者の方や、ディクテーションを全く行ったことのない方には、以下の2つの教材がおすすめです。
- ゼロからスタートディクテーション
- 究極のディクテーション Vol.1
それぞれの内容を紹介します。
ゼロからスタートディクテーション
「ゼロからスタートディクテーション」は、タイトルの通り、はじめてディクテーションに取り組む方におすすめの教材です。
内容は「超」初心者向けです。まず単語の聞き取り練習からスタートし、次に穴埋めの形でディクテーションを行います。
埋めるべき分の穴あき部分が徐々に広がっていき、最終的には一文をディクテーションできるように構成されています。
「短母音を聞き取る」「連結音に慣れる」「数字を聞き取る」など、テーマ別にユニットが構成されているので、弱点を洗い出す助けにもなります。
1日10分、11日で一通りの学習が終了するよう設計されているので、忙しい社会人の方でも始めやすいのも魅力です。
究極の英語ディクテーション Vol.1
・画像引用:App Store
「究極の英語ディクテーション」シリーズは、Vol.1からVol.4までで構成されており、Vol.1は最もやさしいレベルの内容です。
「究極の英語ディクテーション Vol1.」には、簡単な英会話が15セット収録されており、難易度が★1から★3まで分かれています。
★1は簡単な単語のみで構成されており、流れる英語音声もゆっくりなので、初心者の方でも安心して取り組むことができます。
また、うまく聴き取れない原因を見つけ出して、弱点を洗い出すための分かりやすい解説がついているので、ディクテーションに取り組んだことのない人に最適です。
1回の練習量も程よい長さなので、1日1セット程度のペースで取り組めば、無理なくディクテーションを進めることができるでしょう。
また、究極の英語ディクテーションVol.1にはアプリ版もあるため、スキマ時間を利用してディクテーションを行いたい人におすすめです。
中級者向け
英語レベルが中級程度の方、ディクテーションにある程度触れたことのある方には、以下のアプリ2つがおすすめです。
- スタディサプリENGLISH(日常英会話コース)
- ディクトレ
それぞれの特徴を見てみましょう。
スタディサプリENGLISH(日常英会話コース)
・画像引用:App Store
TOEIC対策で有名な「スタディサプリENGLISH」の日常英会話コースにも、ディクテーションが取り入れられています。
ドラマのシーンに没入しながらその内容に沿ったディクテーションが行えるので、文の内容を意識しながらトレーニングを進めることができるのが魅力です。
ディクテーションだけでなく、内容理解クイズやクイックレスポンスなどのトレーニングも用意されているので、英語力を総合的にアップさせることができます。
ディクトレ
・画像引用:App Store
「ディクトレ」は、簡単な英会話のディクテーションができるアプリです。
無料で350問ものトレーニングを利用することができるため、お金をかけずにディクテーションを始めてみたい方におすすめです。
「スタディサプリENGLISH」に比べると地味で単調なのがネックかもしれませんが、無料でひたすらディクテーションを行いたい方にはとてもおすすめです。
上級者向け
英語レベルが中上級〜上級レベルの方で、活きた英語やプロフェッショナル向けの話題に触れたい人には、「CNN ENGLISH EXPRESS」の利用がおすすめです。
CNN ENGLISH EXPRESS
・画像引用:App Store
「CNN ENGLISH EXPRESS」は、CNNで取り扱われたニュースを元に編集された英語学習雑誌です。
CNN ENGLISH EXPRESSに掲載されたニュース音源を利用するには、まずアプリ「Listening Trainer(リストレ)」をダウンロードします。
教材にしたい号に掲載されているQRコードをアプリで読み込むか、QRコードが利用できない場合は書籍に記載されている5ケタのシリアルナンバーを入力します。
音声教材には、「基礎編」「中級編」「上級編」が設けられています。
「基礎編」には「ナチュラルスピード」「ゆっくりスピード」「ポーズ入り」が用意されています。
ディクテーションが初めての方は「基礎編」の「ナチュラルスピード」でウォーミングアップを行うのがおすすめです。
「基礎編」では物足りないと感じたら、「中級編」「上級編」とレベルを上げていくことができます。
CNN ENGLISH EXPRESSの音源には、ネイティブ特有の表現が多く含まれており、より実践的な英語表現に触れたい上級者の方におすすめの教材です。
まとめ
ディクテーションは、何度も繰り返して英語音声を聞くため、リスニング力の大幅な向上が期待できるトレーニングです。
さらに、英語音声を紙に書き出すため、自分の弱点を洗い出すことができ、英語力全体の底上げになるので、とてもおすすめです。
ただ、トレーニング全体を行うには時間がかかる点と、スピーキング力アップに直接結び付きにくい点から、「意味がない」「効果が実感できない」という人も多くいました。
確かに、ディクテーションは以下の6ステップで進めていきます。ステップ数が多く、それぞれに時間がかかりますよね。
- 英語音声全文を聞く
- 1文ずつ音声を止めながら書き取る
- もう1度英語音声全文を聞く
- スクリプトを見ずに書いた内容をチェックする
- スクリプトを見て間違いをチェックする
- 英語音声を聞きながら全文を声に出して読み上げる
そのためディクテーションを行う際には、無理のない時間、無理のない頻度でトレーニングを進めることをおすすめします。
また、ディクテーションを行う際には、音読やオーバーラッピング、シャドーイングなど、実際に声に出すトレーニングと組み合わせると、スピーキング力アップにも大きな効果を発揮します。
トレーニング効率の観点からだけではなく、モチベーション維持のためにも、英語で好きな音楽を聴いたり、好きな映画を観たりなど、気分転換をしながらトレーニングを進めてください。
ディクテーションはリスニング力を中心とした、英語力全般をアップさせることができる優れたトレーニングです。
ぜひ英語学習に取り入れてその効果を実感してください。
執筆者=なっつるん