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河野 太一

「英語力を底上げして点数を上げる」をコンセプトに留学関連英語試験対策を指導。発音や文法の指導に定評。

回答した数:20参考になった数:40
早稲田大学政治経済学部中退。テンプル大学ジャパンキャンパス大学院卒業(英語教授法専攻)。留学経験はあるものの、英語力の大部分は日本国内で独学で培った。TOEIC®講座・大学受験予備校での指導を経て、大手留学準備校にて教務主任を務めたのち、独立。主な資格は、TOEFL iBT® 116点・IELTS™ 8点・TOEIC® 990点(満点)・TOEIC® Speaking and Writing Tests 各200点(満点)・英検®1級など。英語発音指導士®

このコーチが回答した質問一覧

2022年12月7日
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河野 太一

サイトトランスレーションは、特に初級者・中級者にとって、英語力全般を上げる学習法として効果的ですし、私の塾でも指導しています。英語力向上の結果として、TOEICの点数向上にも寄与するでしょう。 サイトトランスレーションをご存じない方のために説明すると、サイトトランスレーションとは英語を意味のかたまりに区切り、できるだけ英語の語順に沿って前から訳し下ろしていく手法です。例えばI bought a sweater yesterday.であれば、I bought / a sweater / yesterday.と区切り、「私は買った/セーターを/昨日」のように訳します。 この訓練は、英語を和訳する、言い換えると英語の語順を日本語の語順に置き直して、きれいな日本語にして理解する癖のある人が、いわゆる「英語を英語のままに理解する」ようになる過程において、その中間的な形態として効果があります。 つまり、英語を敢えて日本語として自然な語順に直さずに意味を取っていくことにより、英語の構文の成り立ちはこういうものであると実感でき、それに逆らわないような頭の働きが鍛えられるのです。そのことによって英文理解のスピードが上がり、また和訳の過程で発生する間違いなども防ぐことができます。同じパッセージに対して何回か繰り返せば、単語を覚えられるなどの副次的効果も期待できます。 当然TOEICのリーディングセクションにおいて効果を発揮しますが、TOEICのリーディングパッセージは長く複雑なセンテンスが続くようなものではなく、設問で問われている情報をサーチするような読み方でも対応できるため、その効果は限定的かもしれません。 サイトラが効果的なのはむしろリスニングセクションにおいてでしょう。英文を和訳する頭で英語の音声を聞いている人は、音声のスピードについていけません。英単語を日本語の語順に直している時間などないからです。しかし英語を語順のままに理解する姿勢があればついていけます。 やり方としては、TOEICの公式問題集などを用い、1つの問題(ダイアローグまたはパッセージ)につき、何度も行うとよいでしょう。 とはいえサイトラは数ある学習法の1つに過ぎず、特に「極める」ようなものではありませんが、ほかの学習法と組み合わせることでより効果を高めることはできます。上記のように一つの素材でサイトラを繰り返したあと、その素材を使って今度はリピーティングやシャドーイングを行います。すると、既に内容をしっかり理解したうえで行うことになり、それらの練習の効果も高まります。 このようにして、最終的には全く日本語を介さず「英語を英語のままに」理解するようになるのを最終目標とするとよいでしょう。
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2022年11月15日
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河野 太一

はい、シャドーイングはトランスクリプトを見ながら行うのも、やり方のひとつとして有効だと考えます。 私は、シャドーイングは段階を踏んで行うべきものと考えています。そもそもいきなり何も見ずに、ネイティブの速度でシャドーイングするというのはハードルが高すぎ、効果的な学習ができません。 したがって、初見の素材で行う際は、速度を落とします(速度可変の機材を用い、0.5倍速などにする)。そのうえでトランスクリプトを見ながら行います。すると書かれた英単語をやや先読みしながら行うような形となり、正しい発音に向けての心の準備ができるため、より正確な発音でシャドーイングを行えます。 私は、シャドーイングを行う際は極力正しい発音で行うべきと考えていますが、トランスクリプトを見ないシャドーイングにいきなり取り組むと、その点が疎かになりやすいのです。トランスクリプトを見ながらのゆっくりシャドーイングはその点の克服に向けた方法ということになります。このやり方で何度もシャドーイングを繰り返し、正しい発音の仕方を口が覚えているような状態になったら、今度は速度を上げたり、トランスクリプトを見ないで取り組めばよいのです。 このように段階を踏んで、同じ素材を異なるやり方で何度も繰り返し、そこに含まれる音声的要素とともに、単語や表現を吸収していくことが英語力向上につながります。ただしこれは発音をひととおり学んでいる前提です。そもそも発音を学ばずにシャドーイングを行っても効果は乏しいので、発音の学習はシャドーイングの前に、あるいはシャドーイングと並行して、しっかり行ってください。
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2022年11月11日
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河野 太一

おっしゃっているのは、例えばmeanに「意味する」と「手段(means)」の意味があるというような、いわゆる多義語のことかと思います。 このようなものを例文ごと覚えるというのはなかなか難しいと思います。また「全部」というのは、多義語の定義がハッキリしない以上、これも難しいでしょう。 そこでおすすめできるのは、覚える範囲をいったん「大学受験で頻出のもの」に絞ることです。大学受験英語というのは、ある意味「これから英語に上達しようと思ったら、これだけの知識は最低限必要ですよ」と示しているのであり、それは多義語についても同様です。それらを覚えれば、とりあえず「ぜひとも覚えておくべき多義語を知らない」ということはなくなるはずです。そのあとは、広範な英語に触れる中で知識を強化・深化させていけばよいのです。 ではそれらをどのように覚えるか。上記の観点から大学受験の参考書を使うことをお勧めします。例えば『Next Stage 英文法・語法問題』(桐原書店)のような問題集では、多くの場合「語い」という章があり、その中に多義語が含まれています。類似の本であればどれでも構いませんが、このような問題集で学習することにより、「間違えながら覚える」「ゲーム化する」ということが可能になります。そして「全問正解すれば学習終了」のようにゴール設定を明確化することもできます。例文暗記は負担が大きく、スピードが上がらないため「ゲーム化」も(不可能ではないが)難しく、あまりおすすめできません。 こうした問題集を1冊でなく、2冊、3冊ぐらいこなすと、基本的な多義語の知識はひととおり身に付くはずです。試してみてください。
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2022年11月10日
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河野 太一

今やシャドーイングは英語学習者に広く浸透した学習法となりましたが、そのやり方に関しては、私から見ると「乱暴だなあ」と思えることが多々あります。 例えば、英語音声学の基礎を踏まえた上で発音の練習をし、そのうえでシャドーイングを行っている人がどれだけいるでしょうか。そのような基礎がない状態でシャドーイングをしても、「ネイティブの音声が流れている一方で、自分はカタカナ英語で英語をつぶやいている」という状態になってしまい、どの程度学習効果があるのか疑問です。 発音の問題はいったんさておくとしても、スピードの問題があります。多くの学習者は英語音声の元々のスピードで、そのままシャドーイングを行っているのではないでしょうか。これは私に言わせれば速すぎます。しかもその素材がニュースやTED、映画などだったりすると、速度も話し方もナチュラルなので、あまりにもハードルが高すぎ、これも学習効果を下げると思われます。 そこで取り得る対策としては、まずは英会話本など「作られた英語教材」を用いることをおすすめします。そのような教材は発音がゆっくりとはいわないまでもそれほど速くなく、ハッキリと模範的な発音をしているケースが多いからです(ものにもよりますが)。だからこそ「そんなもので学習してもナチュラルなスピードについていけない」などと批判されることもありますが、学習には段階というものがあります。まずはそのような理想的な「型」を身に付けられるような素材で、無理なく学習を行うのがよいと思いますし、基本的な英会話表現も覚えられるので一石二鳥です。 さらにはそうした音声素材の速度を落としてシャドーイングするとよいでしょう。私のおすすめは0.5倍です。音声速度可変の機材(アプリなど)を使ってそこまで速度を落とすと、相当ゆっくりで不自然に感じるかもしれませんが、時間的・心理的余裕が生まれるため、音声的特徴をとらえながらしっかりと真似して発音することが可能になります。この速度で何度も繰り返して慣れ、その後0.6倍、0.7倍といったように速度を上げていけばよいのです。 ただ冒頭でお話ししたとおり、発音の基礎訓練がなされていないとそれも効果半減(以下?)ですので、発音の学習はゆめゆめおそろかにされないようお願いしたいと思います。
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2022年10月26日
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河野 太一

IELTSのリーディングについては、3パッセージそれぞれを20分ずつで終わらせるつもりで取り組むのが良いでしょう。 ご存知のとおり、IELTSのリーディングにおいてはPassage 1~3の順に難易度が高くなります。このため巷間よく言われるアドバイスとして、「難易度に合わせて時間配分する」というものがあります。つまり、Passage 1は15分、Passage 2は20分、Passage 3は25分のように配分するという考え方です。 これは一見整合性があるように思われます。難易度の高いパッセージに解答するには、それなりに時間がかかると考えられるからです。 しかしこの考え方で本試験に臨んだ場合、実際にはうまくいかないケースが多々起こります。まずPassage 1を「5分短い時間で解かなければいけない」という意識が働くため、焦ります。焦ると文章の中身が頭に入ってこず、さらに焦ることもありますし、選択肢を選ぶ際に慌てて選んでしまったり、本文の理解が不十分なために迷ってしまうことがあります。その結果、却って時間がかかってしまうことにすらなりかねず、その場合、Passage 2以降はもっと焦って解くことになり、完全に逆効果となってしまいます。 また、首尾よく1と2を終えたとしても、今度はPassage 3に取り組む際に「時間があるから大丈夫」という意識が働いてしまい、ゆっくり解きすぎて時間が足らなくなった、という話も生徒さんから聞くことがあります。 むしろPassage 1には20分かけるつもりで、少なくとも初めのうちはじっくりパッセージを理解したり、選択肢を慎重に選ぶとよいでしょう。すると徐々に「乗って」きて、ペースが上がっていきます。結果として15~18分になればそれでよし、と考えるのです。 「乗って」くると、Passage 2も18分程度で終えられることが少なくありません。仮にそのように時間が余ったとしても、Passage 3に取り組む段階では「20分しかないのだ」と敢えて考えることで「油断」を防ぎます。結果、実際に少しオーバーしたとしても、余った時間で補える、という発想です。 以上、参考にしていただければ幸いですが、最も大事なことは圧倒的なリーディング力を身に付けることです。単語力や文法力、さらには英語に触れてきた量の不足によりリーディング力がまだまだ低いのに、それを時間配分で何とかすることはできません。上記はそうした本質的な力を既に身に付けている人へのアドバイスであり、力のない人には「ひたすら勉強してください」と申し上げるよりほかありません。
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2022年10月26日
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河野 太一

洋楽を聞くことは、英語のリスニング力向上にほとんど寄与しないと考えたほうがよいでしょう。 もちろんその時間、曲がりなりにも英語に触れているわけですから、効果は全くのゼロではありません。英語のリズムに親しんでいるという側面はありますし、歌詞を覚えれば語彙力の強化につながり、それがリスニング力につながるということもあるでしょう。しかしそうした効果はごくわずかであり、仮にTOEICなどの試験における点数向上を目標とした場合は、効果は極めて限定的と考えられます。 リスニング力向上にはまず発音の学習が必要です。発音の学習には英語音声学的な知識と、それに基づいた適切な練習が必要です。洋楽に合わせて歌えば発音の練習になると思うかもしれませんが、そういった知識や練習の下地なしに歌っても、それはカタカナ英語を口にしているだけであり、発音の向上には寄与しません。逆に、そうした基礎のある人が、練習の一環として発音に留意しながら曲に合わせて歌うことは「口慣らし」という観点から効果がありますし、筆者自身も以前はよくやっていました。 また、リスニング力を支える基礎として、語彙力と文法力が必要です。こうした知識の向上に向け、上記のように英語の歌詞を理解したり覚えることが役立たないわけではありませんが、量的にあまりにも不十分です。単語を覚えるのであればやはり単語集などを用いて短期に大量に覚えるべきでしょうし、また英文を大量に読むことでそれを定着させるべきでしょう。文法に関しても参考書や問題集を使ってしっかり覚えるべきです。 何をもって「リスニング力向上」とするかは人それぞれですが、テスト成績や本人の実感としても、明らかにリスニング力が上がったと感じられるような向上ぶりを目指すのであれば、まずは上記の基礎力を充実させることです。それを踏まえて、ディクテーションを行ったり、音読やシャドーイングなど、それ相応の訓練を経なければならないと考えるべきでしょう。その傍ら趣味として、また息抜きとして洋楽に触れるならば何らかのプラスに働くことはあると思われますが、基本的には英語学習とは切り離して考えたほうがよいでしょう。
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2022年10月19日
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河野 太一

リーディング力を伸ばすには、まず基礎を固めることです。単語力・文法力、それを基にした正確な構文解析力が必要です。 単語については単語集を一冊仕上げるのが早道でしょう。その上で、今度は大量の英語に触れて単語の知識を深め、拡充していきます。 文法については、高校までの知識が不十分と感じる人は高校の参考書や問題集を仕上げたうえで、これまた大量の英語に触れる中でその文法知識を深く定着させる必要があります。 構文解析力については、例えば『英文解体新書』のような本(一例であり、類書は多くあります)で、「英文の文法構造を解析するにはどのように頭が働くべきか」を学び、これまた多くの英語を読む中で「技術」として身に付けていくとよいでしょう。 このような基礎力が固まっていることを前提とするならば、後は「論理力」が問題となります。「トピックセンテンス」が先に来て、その後でそれについて詳細や理由などを述べていく「逆ピラミッド型」の論理構造、言い換えれば英語の典型的な論理展開を理解しているかどうか。パラフレーズを多用し、同じことを多彩な表現で表していく表現方法や、対比関係を用いて比較対象しながら語っていく手法を理解し、意識して読めているかどうか、などです。 付け加えるならば、私が授業で「多くの生徒さんができていない」と感じ、強調しているのは、「文章の文言に疑問(質問)を持ちながら読む」ことです。なぜ筆者はその話をしているのか、何が言いたくてその例を持ってきたのか、なぜここで現在完了形を使っているのか、助動詞を使っているのか、などなど、情報の持つ意味から言葉遣いまで、多くのことに「なぜ?」と疑問を持ち、その答えを探す意識で読んでいくと、文章への理解が非常に深まります。理解が深まれば、読むスピードも上がります。全ての英語学習者に行ってもらいたいやり方です。
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2022年10月17日
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河野 太一

TOEIC600点台というのは「英語の基礎力が十分でない」ことの現れです。 TOEICといえばTOEICの問題集をやるのが一般的でしょうし、それでも多少の点数アップは見込めるかもしれませんが、私は「急がば回れ」で英語の基礎力を付けることをお勧めします。それだけでも点数アップが見込めますし、TOEICの問題集をやるにしてもその後のほうが効果が高まるでしょう。 では「基礎力」とは何か。まずは単語力です。TOEIC600点台の方は一冊の単語集をキチンと覚えたという経験はない可能性が高い。今こそそれをやるべきです。この際どの単語集ということは問いませんので、一冊これはと定めたものをキッチリ仕上げるべきです。「キッチリ」というのは、「将来まで覚えていられるかどうかは別として、一旦は全単語覚えた」といえる状態です。 次に文法力です。TOEICでは直接的に文法知識が問われる比重は減っていますが、文法知識はリーディング力、リスニング力、さらにはスピーキングやライティング力、すなわち英語の四技能全ての基礎になりますので、間接的に非常に効いてきます。しかるに、600点台の方は文法問題集をキッチリ仕上げた経験も少ないはず。例えば『Next Stage 英文法・語法問題』(一例にすぎず、この本に限りません)のような問題集を仕上げるとよいでしょう。ここでの「キッチリ」は、全問題正解できることを意味します。間違えた問題は何度も繰り返し、正解するまでやり込むとよいでしょう。ちなみに私の塾ではこのような問題集を3冊こなしてもらうケースが多いです。 さらには発音力です。英語の発音はスピーキングのみならず、リスニングの基礎ともなりますし、これも間接的に単語学習からリーディングまで全ての基礎になると私は考えます。率直にいえば「なぜやらないのかが分からない」のが発音学習です。上記の単語・文法学習と並行して行い、発音記号が読め、その発音を実際にできること。さらにはアクセントや音声変化など、一通りの知識と、実際に発音できる技術を身に付けることです。 このようにしっかりとした基礎を敷いた後であれば、TOEICの問題集をやるにせよ何にせよ、様々な学習をその上に積み上げていけるはずです。TOEICの点数はその結果として付いてくるでしょう。
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2022年9月24日
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河野 太一

英語のアクセントを覚えるのに最適な方法は英語音声を聞くことです。それは単語を読み上げたものではなく、英会話教材や各種英語試験のリスニング素材、またTEDなどの自然な会話です。そして一つの素材を繰り返し聞く。10回、20回、30回と繰り返すと、そこにある英単語の発音は自然と耳で覚えてしまうことになります。そのように繰り返した素材をいくつも作っていく。もちろん聞くだけでなく、シャドーイングやリピーティングといった「自ら英語を口に出す」練習を組み合わせるとなおさらよいでしょう。これが何といっても優先されるべき学習法です。その観点からは、大学受験の「発音・アクセント問題」のように、ルールや発音記号を暗記する一方で、音声そのものをあまり聞かないようなやり方は効率が悪いといえます。 ただし、英語発音そのものを学ぶ必要はあります。そうでないと聞き取れる音声が少なくなり、リスニング学習が効率的でなくなります。個々の音素を始めとして、音声変化やイントネーションまで、英語音声学の初歩的なものは一通り学び、発音練習を続けながら、上記のようなリスニングをするのが効果的です。 そのように繰り返し聞いた結果、「この単語はこのように発音されるもの」という「感覚」が自然と身につくのが一番であり、出会う単語についていちいち辞書を引いてアクセントの位置を確かめる必要はありません。しかしリスニングをしっかりやりこんでいても、なおかつ発音に確信の持てない単語というのは一定程度出てきますから、「あれ、この単語はどこにアクセントがあるんだっけ?」と疑問に思ったもののみ辞書で調べるとよいでしょう。 また、英単語の意味を調べる際にも発音記号については必ず見るよう習慣づけ、特にアクセントの位置について確認しておくようにすれば、アクセントそのものを調べるためにわざわざ辞書を引かなければいけないケースは減ると思われます。その中で、どうしても確認しておきたいものだけ調べればよいのではないでしょうか。
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2022年9月20日
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河野 太一

フランス訛りに限らず、訛りのある英語を聞き取るためには、まずアメリカ発音かイギリス発音をしっかり学習すること、というのが私の持論です。 そもそも「訛りのある英語が苦手」といっても、「では標準的発音だったら聞き取れるのか?」という問題があります。何をもって「標準的発音」とするかという議論はありますが、それは一旦置いておくとしても、とりあえずはメジャーな英語の発音が聞き取れることが前提になります。それができてこそ「独特の特徴がある発音」の聞き取りもできるのです。 そのためには発音(英語音声学)をしっかり学び、発音練習やシャドウイングなどの訓練を行うことです。アメリカ発音でもイギリス発音でもよいので、どちらかを優先して学習し、ある程度習熟したらもう片方も学ぶとよいでしょう。 そのように「標準的英語発音」に習熟するだけで、訛りのある英語もそれなりに聞き取れるようになるものです。目標としてはTOEICで少なくとも800点、できれば900点以上、あるいはそれに匹敵する力を目指すとよいでしょう。 それが達成できたら、次はターゲットとなる訛りのある英語を集中して聞くとよいでしょう。今はYouTubeなどで探せば大抵のものは出てくるのではないでしょうか。数多く聞く必要はありませんが、いくつかのものを繰り返し聞くとよいです。50~100回を目指すとよいでしょう。 なお、英語のリスニング力とは音声の把握力だけではありません。文法力や語彙力も必要です。訛りのある英語を話している人も、よく聞いてみると語彙や文法に関しては高度なものを正確に使っていたりするケースも多いです。自分の英語力を総合的に上げていくことが、一番の対策となるでしょう。
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