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英語耳の効果的な使い方!英語発音を上達させる勉強法

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英語勉強法のプロShin

TOEIC®︎985、英検®︎1級、TOEFL®︎108。純日本人ながら、大人になってからの日本における自学自習で英語力を磨く。その後、大学受験予備校講師、英検®︎講師、TOEIC®︎講師、TOEFL®︎講師等、英語に関するあらゆる試験を指導する講師職に就く。

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英語の勉強では、どのような課題や挫折がありましたか?

過去に一般的な文法・読解を学びながら、「音読が良い」という噂を聞いてひたすら音読をしていました。ただ、発音については我流のカタカナのままだったので、発音の向上に取り掛かりたいと思っていました。

ちょうど英語のスピーチコンテストに参加する機会があったので、それに向けて本格的に発音矯正に取り組みました。評判の良かった「英語耳 発音ができるとリスニングができる」を活用して、個々の発音記号を正確に発音できるようになるための発声練習を毎日30分ほど、3~4カ月は欠かさずに継続しました。

この英語勉強法を試してみて、どのような効果がありましたか?

結果的に、意識して発音すれば周りも変化に驚くほど良い発音ができるようになりました。そして、カタカナの発音をするのに違和感を覚えるようになったため、普段の英会話から発音記号を思い浮かべながら発音するようになりました。それにより正しい発音が定着したのも事実ですが、即興に近い発話だと1語1語を明瞭に発話しすぎて、逆に違和感が出ていた部分もありました。

ただ、そのまま更に3~4カ月続けていると、良い意味で口がサボり方を覚えてくれたのか、文の中で重要な単語のアクセント部分は明瞭に発話するのものの、それ以外の部分では力を抜けるようになりました。自然と音の脱落や連結ができるようになり、強弱のリズムも生まれました。このタイミングで私の発音学習は完了した認識です。

発音学習の副産物として、リスニングにも良い影響が生まれました。この時点では海外ドラマを字幕無しで楽しむレベルには至りませんでしたが、音をキャッチする分には問題が無くなり、聞き取れないのは知らない単語のみという状態にはなりました。その後は特に発音にフォーカスした練習はしていませんが、英語発音指導士Ⓡの資格も得ることができました。

Shinが実践した
英語勉強法

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    01

    「英語耳 発音ができるとリスニングができる」を用意

    まずは「英語耳 発音ができるとリスニングができる」を用意しました。この書籍を選んだ理由は、周りの人からのお勧めでした。一緒にスピーチコンテストに出る練習仲間の間でも評判でしたし、講師からも優れた本として紹介されていた記憶があります。

    英語耳を選んだ理由としては、

    ・著者の実体験を踏まえた学習法が記載されている
    ・発音記号一つひとつに解説が入っている
    ・発音練習用の単語・英文記載とその音声がある
    ・音声変化のモデル音声が段階ごとに録音されている

    ためです。

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    モデル音声と同じ音が出るまで発音記号一つひとつを真似する

    英語耳を利用して、まずは個々の発音記号に細分化して学習に取り組みました。特に私が活用していたのは「発音練習用の単語・英文の箇所とその音声」でした。

    正直、口の動かし方を文字や口内の断面図などで見ても私はピンと来ないタイプだったので、モデル音声と同じ音が出せていると感じるまでひたすら真似をしていました。少し過剰なほどに口を動かしたほうが身に付いている感覚があり、練習の初期は顔が筋肉痛になっていたことを覚えています。

    全体像が掴めたら、後は練習パートでひたすら声に出して練習あるのみです。1冊の音声が全部で30~40分ほどだったと思いますが、全ての音を全力で出していると一周だけでぐったりするはずです。それを毎日繰り返していくとだんだん慣れが出てきて、私の場合だと3~4カ月くらいでマスターできたと思います。

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    私は当時周りに発音を学習する仲間がいたので、/æ/のときの口の形・/θ/のときの舌の位置などを直接教えてもらう機会がありました。現在であればYouTubeなどで発音記号を解説してくれる動画なども見つかると思いますので、まずはそちらで基本となる部分を学んでおくのも良いと思います。

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    ミニマル・ペアの練習で細かな音の違いを理解する

    発音記号を習う過程で、1つの音韻要素のみが異なる「ミニマル・ペア」の説明が本書に含まれているので、音声を最初から最後まで通しで取り組めば結果的にミニマル・ペアにも取り組むことになりました。結果として、seeとsheなど、日本語話者には同じように思える単語の違いが明確になったように思います。

    モデル音声が流れた後には適度に間が空いているので、そこで自分も音声を真似て発音をしました。苦手な部分は繰り返し取り組んだほうが確かに良いと思いますが、前述の通り本気でやると一周でぐったりするので、一日一周のペースを守って3〜4ヶ月スパンで反復練習をしていければ十分かと思います。

    「個々の発音記号が終わったらミニマル・ペア」のようにステージごとに区切っていくというよりは、バターを薄く塗り重ねるように全体を何度もさらうようにしたのが学習として良い結果を生みました。

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    ちゃんとミニマル・ペアを発音し分けられているかが不安な場合、理想は専門家に聞いてもらうことですが、それが難しければスマホの「発音認識機能」を使用して客観的な判定をしてもらうのも良いかもしれません。

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    連結・消失・弱化といった「音声変化」を習得する

    次に音声変化の学習を行いました。本教材は音声変化のパターンを全て網羅しているわけではなかったのですが、私にとってはそれが逆に良かったと思います。英語耳では音声変化を大まかに5パターンに分けて説明していることで、無限に思えた音声変化がとっつきやすいものになりました。

    また、「音声変化前」→「音声変化をする中間」→「音声変化後」のようにグラデーションのような形でモデル音声が収録されているので、そのステップに沿って音声変化を学びました。

    音声変化が生まれるプロセスを感じられたことにより、音声変化というのはあくまで「結果」であり、スムーズに発話しようとする中で自然に生まれるものだということが分かり、慣れてくれば初見の英文であっても音声変化を自在に起こすことができるようになりました。

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    頭に発音記号を浮かべながら、実践英会話の中で単語一つひとつを発話する

    発音記号を一通り全て学んだ結果、中途半端なカタカナ英語を発話したくなくなるので、一時期は実践の英会話の中で発話する単語全ての発音記号を調べるといったことをしていました。

    頭に常に発音記号を浮かべながら、多少ぎこちなくても正確に発音することを意識していました。その時期があったからこそ、多少その意識を薄れさせても一定の精度で発音ができ、イントネーションという次のステップに進めたと思っています。

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    まずは一心不乱に発音だけにフォーカスした時期があったからこそ、多少発音を気にしなくても正確なそれが保てたと感じています。最初から発音を無視してイントネーションを追っていたら、中途半端になっていたと思います。

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    「無意識に」正しい発音ができると「イントネーション」の扉が開く

    正確な発話を心がけているうちに、次第にスペルから発音記号も推測できるようになってきて、その回数も減っていきました。そうしていく内に「正しく発音しよう」というブームも自分の中で去り始め、「重要な単語のアクセント部分のみ全力で発音して、それ以外の部分はə(あいまい音)で弱く雑に発音しよう」という意識になっていきました。これが結果的に、英語らしい強弱・高低差の大きい波のあるイントネーションの習得に繋がりました。

    発音記号や音声変化といった細かな部分をまずは頭で理解して、それを無意識でもできるようになるまで反復したことで、「正しい発音をしよう、音声変化を起こそう」と考えなくてもできるようになっていたのです。この段階に至ったとき私の発音学習は終了しました。今は、ただ英語を話していることが自然と発音の力をキープすることに繋がっていると思っています。

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    発音学習はある一時期に集中的に取り組んだら、それで卒業するものです。あとは普通に英語を話していれば、それが自然と発音練習になります。せっかくであれば早い段階で発音をアップデートしておくと良いかと思います。

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